禅居庵(ぜんきょあん)は、京都最古の禅寺 建仁寺の塔頭寺院。
禅居庵は非公開ですが、隣接する「日本三大摩利支天(まりしてん)」の一つでもある「摩利支天堂」は常時参拝可能です。
摩利支天とイノシシにお参りして、開運勝利を祈願しましょう!イノシシは、摩利支天のお使いと言われています。
ちょっと聞きなれない摩利支天とイノシシの関係とご利益をまとめました。
タップできる|目次|
【1】禅居庵と摩利支尊天の関係
禅居庵は、鎌倉時代末期に元国から招かれた清拙正澄禅師(せいせつしょうちょう ぜんし)を開山に、武将 小笠原貞宗(おがさわら さだむね)が開いた建仁寺の塔頭寺院です。
隣接する「摩利支天堂」には、清拙正澄禅師が篤く信仰されていた摩利支尊天像が鎮守としてお祀りされています。
庵は非公開ですが、摩利支天堂は常時参拝可能。開運勝利の御利益が有名で、日本三大摩利支天の一つにも数えられています。
・建仁寺の塔頭寺院|禅居庵
禅居庵の堂宇は小笠原貞宗により元弘年間(1331年~1333年)に創建。天文の兵火で焼失後、天文16年(1547年)に織田信長の父である信秀が再建したと伝えられます。
その後、たびたび整備や大改修が行われましたが、創建時代の禅宗様仏殿の遺構が残されており、中世様式の貴重な建造物として京都府の文化財に指定されています。
清拙正澄(1274年~1339年)
鎌倉時代末期から南北朝時代の臨済宗の僧。諡は大鑑禅師。
中国福建省福州生まれ。月潭紹円禅師に就いて出家後、諸方で修行し、破庵派の愚極智慧禅師の法を嗣ぎます。嘉暦元年(1326年)禅師の名声を聞いた信徒が師を日本へ招請したと伝えられています。鎌倉時代末期に来日してからは北条氏の庇護を受け、南禅寺や建長寺ほか五山派寺院の住持を歴任。
小笠原貞宗(1292年~1347年)
鎌倉時代後期から室町時代前期の武将。信濃守護。弓馬の名手で、小笠原流の基礎をつくった人物と伝承されています。
塔頭(たっちゅう)
禅宗寺院。弟子が亡くなった祖師や門徒高僧の徳を慕い、大寺・名刹に寄り添って建てた塔(多くは祖師や高僧の墓塔)や庵などの小院です。建仁寺では明治時代の廃仏毀釈により多くの塔頭が失われ、現在は14院が残るのみだそうです。
・禅居庵鎮守|摩利支尊天堂
開山の清拙正澄禅師は、祖先より摩利支尊天を信仰。
日本から招請され渡航を思慮していた際、尊天がイノシシの背に坐して現れ「共に日本へ行き、師を守護いたしましょう」とのお告げあったと縁起書に伝えられます。
来日後の禅師は、中国から共に渡航した「摩利支尊天像」をいつも近くに安置しながら、南禅寺・建長寺など五山派寺院の住持の職を歴任しました。
暦応2年(1339年)禅師は禅居庵で入寂。
摩利支尊天像は、秘仏として禅居庵の摩利支天堂に700年近くお祀りされています。
日本三大摩利支天
・建仁寺 塔頭 禅居庵/京都
・宝泉寺/金沢
・徳大寺/東京上野
禅居庵と摩利支天堂の関係は、今回調べて初めて知りました^^
【2】摩利支天とイノシシの関係
禅居庵をはじめ、日本で祀られている摩利支天像の多くが猪を眷属(けんぞく)として従えています。そのため、亥歳生まれの方の守り神としても信仰されています。
・摩利支天のご利益
摩利支天とは神格化された陽炎(かげろう)。
古来、開運勝利のご利益があると信仰されてきました。
陽炎は実体が無いので、捕らえられて傷つけられることも無い。そのため、我が国では戦場の守護神として、戦国武将の間に摩利支天信仰が広がったと考えられるそうです。
楠木正成、毛利元就、立花道雪、山本勘助、前田利家らも摩利支天を信仰していたと伝えられています。
摩利支天とは?
語源はサンスクリット語で、陽炎(かげろう)を意味するMarici(マリーチ)の音を漢字に写したもの。そのルーツは威光、陽炎を神格化した古代インドの女神マーリーチで創造神プラフマー(梵天)の子と言われています。
・イノシシは摩利支天の使徒
摩利支天は陽炎なので、本来は見えないものですが、「仏説摩利支天経」や「摩利支提婆華鬘経」に記されているイメージを参考にして尊像が作られたようです。
猪の上に片足で立つ像や、猪五頭・七頭の上に坐す像があります。
古代インドや西アジアではイノシシの素早さが、智慧の迅速さや勇敢さを表わすとして、摩利支天の眷属として結びつけられたのかもしれないと言われています。
・可愛いイノシシのおみくじ
摩利支天堂の右隣の授与所には、御守り・おふだ・おみくじ・絵馬や護摩木など様々な授与品が用意されています。
イチオシは、陶製の可愛いイノシシのおみくじ!摩利支天の御使いであるイノシシがメッセージを運んできてくれます。
摩利支天堂に奉納するも良し。お部屋に飾って、摩利支天からのメッセージを忘れないようするのもおすすめです^^
境内には摩利支天の使徒イノシシがあちらこちらに!どのイノシシがお好み?
【3】禅居庵 アクセス
摩利支天堂の正門まで、バス停「清水道」から徒歩約5分です。
正門から入るのがおすすめ! 建仁寺境内の禅居庵の入り口からも入れますが、授与所の横に出るのでちょっと微妙かも‥
・電車 最寄り駅
- 阪急京都線「京都河原町駅」1B出口から 正門まで 徒歩約10分
- 京阪本線「祇園四条駅」6番出口から 正門まで 徒歩約7分
- 京阪本線「清水五条駅」5番出口から 正門まで 徒歩約8分
※清水五条駅は、特急は停車しません。
・京都駅から
- 市バス
★京都駅前バスターミナルのりば案内
[D1のりば] 洛バス100 清水寺祇園・銀閣寺行→「清水道」まで約14分
[D1のりば] 市バス110 祇園・平安神宮行→「清水道」まで約14分
[D2のりば] 市バス206 北大路バスターミナル行→「清水道」まで約17分 - TAXI 所要時間 約9分
総距離 約2.8km タクシー料金検索
※料金・所要時間は実際とは異なる可能性があります。
建仁寺の隣にあります。一緒に参拝されてはどうでしょう?
【4】近くの見どころ
禅居庵は非公開ですが、すぐ隣には風神雷神図や庭園で有名な建仁寺があります。
また、訪問の時期によっては他の塔頭寺院、両足院や霊源院(通常非公開)が特別公開中かもしれません。事前にチェックして、一緒に訪れてみてはいかがでしょうか?
関連記事です!
建仁寺 | アクセスと見どころ。双龍図、風神雷神図、庭園etc
建仁寺 両足院 | 半夏生の庭園と毘沙門天 [初夏の特別公開]
建仁寺 霊源院 | アジサイに似た甘茶の庭園 [春の特別公開]
徒歩圏内に、名所も多いのでふらふら散歩してみてくださいね。
- 北門から出ると風情ある祇園の花見小路に出ます。
- 京都の街並みを楽しみたい方は「花見小路、石塀小路、祇園白川」あたり。
- 桜の季節ははずせない「円山公園」
- 名所旧跡「八坂神社、知恩院、高台寺、清水寺」etc。
- 華やかで楽しい観光地好きの方は「二寧坂、産寧坂」あたり。
- 散歩好きなら「三十三間堂、智積院」もギリギリ徒歩圏内。
日本三大摩利支天にお参りして、開運勝利を導いてもらいましょう^^
※この記事は、禅居庵公式サイト等を参考に作成しました。
建仁寺 禅居庵|摩利支天堂
所在地 京都市東山区大和大路通四条下る4丁目小松町146
TEL.075-561-5556
参拝時間 9:00~17:00
境内・摩利支天堂は参拝自由。禅居庵は非公開。
禅居庵 公式サイト