建仁寺 両足院 | 半夏生の庭園と毘沙門天 [初夏の特別公開]

建仁寺 両足院

両足院(りょうそくいん)は、京都最古の禅寺「建仁寺」の学問面の中核を担い、室町時代の五山文学を牽引する禅僧を数多く輩出した塔頭寺院です。

初夏の特別拝観と冬の特別拝観時のみ拝観可能です。

初夏の特別拝観では、葉っぱが白く変化する不思議な植物「半夏生(はんげしょう)」が植えられた池泉回遊式庭園を鑑賞することが出来ます。

半夏生と仏教の関係や、毘沙門天の由緒とアクセス方法をご紹介します。

基本情報

両足院|建仁寺塔頭
所在地 京都市東山区大和大路通四条下る4丁目小松町591
TEL.075-561-3216
両足院 公式サイト

【1】初夏の特別拝観

両足院は、常時拝観はされていません。
特別拝観を初夏と冬に期間限定で開催されています。

初夏の特別拝観2021年6月1日(火)~7月11日(日)
時間:10:00~16:00(16:30閉門)
料金:拝観庭園散策込 一般 1,000円

両足院 門
▲両足院の入り口
両足院 玄関
▲受付の横のお庭
ミィコ

受付の横に、おみくじや御朱印などがずらっと並べられています^^

【2】両足院とは?

両足院は室町時代中期まで、五山文学の最高峰の寺院として、霊源院と共に建仁寺の学問面(がくもんづら)の中核を担った塔頭寺院です。

さらに、知足院創建時から明治初期にかけて、歴代住持の中から数多くの建仁寺住持を輩出するなど、建仁寺にとって重要な僧侶を擁する寺院でもありました。

・両足の意味

両足院の「両足」には、智慧と慈悲の両方が足りているという意味があります。

智慧は頭の良さや判断力、慈悲は苦しみを取り去り幸せを与えたいと思う心で、「両足尊」は仏の尊称でもあります。

・五山文学の最高峰寺院

両足院は、建仁寺開山・栄西の法脈を受け継ぐ龍山徳見(りゅうざんとくけん)が創建した「知足院(ちそくいん)」の流れをくむ塔頭寺院です。

鎌倉時代末期、中国(宋・元)禅林の文学志向が大きい禅風が日本に伝来すると、京都五山・鎌倉五山の禅僧の間でも漢詩文を表現の手段とする五山文学が大流行。両足院は霊源院とともに五山文学を代表する学僧を数多く輩出しました。

また、両足院は五山文学関係資料の抄物や五山版、宋時代の版本や古写本などを多数所蔵されていることでも知られます。

平成時代に4年の歳月をかけて所蔵の書跡・典籍類の全貌が見通せる「建仁寺両足院所蔵聖教目録」が作成されました。

龍山徳見(りゅうざんとくけん)
 [1283-1358年]
鎌倉後期から南北朝時代の臨済宗黄竜派の僧。15歳で鎌倉寿福寺に入り,寂庵上昭に師事し,のち入元中にその法を嗣ぐ。円覚寺(鎌倉)の一山一寧に参じたのち,嘉元3(1305)年入元して天童山の古林清茂などを歴参し,雲巌寺(江西省分寧県)に住す。
在元45年にして,貞和5(1349)年帰国。足利直義の招請で建仁寺に住し,次いで尊氏に請われて天竜寺および南禅寺に歴住。禅門修行における文学を重視し,門下に参じた義堂周信,中巌円月,絶海中津など,五山文学の担い手に大きな影響を与えた。

出典:朝日日本歴史人物事典より抄録

・両足院のあゆみ

  1. 知足院
    1350年、足利直義の招請で、45年に及ぶ元(中国)滞在より帰国した臨済宗黄竜派の僧・龍山徳見が建仁寺35世に就任。「知足院」を創建。
  2. 両足院
    1428年、龍山徳見の弟子 文林寿郁(ぶんりんじゅいく)が「両足院」を創建。創建当時の両足院は、知足院の徒弟院(つちえん)として建仁寺開山堂 護国院の中にありました。
  3. 天文年間(1532~1554年)の火災で焼失。再建の際に「知足院・両足院」両院を併せて「両足院」と称する事となり現在に至ります。
ミィコ

両足院は、大切に受け継がれてきた知性が集積した寺院なんですね。

【3】半夏生について

半夏生の庭で有名な両足院。半夏生は仏教と関わりの深い植物なのです。

・半夏生とは?

  • 暦の名前
    半夏生は、季節の移り変わりを表す暦の1つで、半夏という薬草が生える頃。または半夏生の葉が半分白くなる頃とも言われます。毎年7月2日頃。
  • 植物の名前
    半夏生は、ドクダミ科の多年性落葉草本植物。名前の由来は、半夏生の頃に葉の色が白くなる事に由来する説と、葉の一部が白く変化する様子から「半化粧」とする説があります。

・半夏生と仏教の関係

仏教の経典 観音経に、普門示現(ふもんじげん)という考え方が説かれています。観音様は様々な姿に変身して、人々を救済してくださるというものです。

半夏生が美しい白に変化していく姿は、観音様が変身されるイメージと重ねられているのです。

普門示現
観音が世を救済するに、広く衆生の機根(性格や仏の教えを聞ける器)に応じて、種々の形体を現じる。これを観音の普門示現という。法華経「観世音菩薩普門品第二十五」(観音経)には、観世音菩薩はあまねく衆生を救うために相手に応じて「仏身」「声聞(しょうもん)身」「梵王身」など、33の姿に変身すると説かれている。

出典:Wikipedia

汎下生(半夏生)観音図(※2019年 初夏の特別拝観)

絵の説明:半夏生 (汎下生) として変化された観音様。
※汎下生は、あまねく現世衆生を救済するために現れるという意味。

半夏生観音図
▲七類堂天谿筆「汎下生(半夏生)観音図」
ミィコ

ハンゲショウは、様々な意味の語呂合わせから観音様につながっているのが興味深いです^^

【4】両足院 見どころ

特に有名な見どころは、半夏生の庭です。

・閼伽井庭

方丈と庫裡の中庭。中央の三尊石と、仏膳に供える水・閼伽(あか)を汲む井戸とその水を受ける水鉢がこの庭の象徴です。

閼伽井庭

・方丈前庭(東庭)

美しく苔むした「方丈前庭」は、桃山時代に作庭された枯山水庭園です。

両足院
▲方丈前の庭園
両足院 方丈
▲方丈から庭を望む
両足院
▲大書院へ向かいます

・半夏生の庭

大書院の前に、半夏生の池泉回遊式庭園があります。

池の北側には、大名・茶人 織⽥有楽斎好みの如庵の写し「⽔⽉亭」(左)と 大村梅軒好みの茶室「臨池亭」(右)が並んでいます。

両足院 半夏生の庭
▲半夏生の庭
両足院 半夏生の庭
▲半夏生の庭
茶室
▲茶室

大切に育てられている両足院の半夏生。
2019年初夏の特別拝観で、6月初めに参拝した時はまだ緑でした^^

緑のお庭も美しいですが、白く変化した半夏生が見たいという方は、生育状況を確認してから伺いましょう。最新情報は 公式Twitterをチェック!

両足院 半夏生の庭
▲白く変化した半夏生 京都フリー写真素材

・文化財

伊藤若冲の掛け軸「雪梅雄鶏図」、長谷川等伯の襖絵をはじめ、掛け軸・襖絵・屏風・陶磁器などの多数の文化財を保管されています。

特別拝観で公開される事もありますので、その機会を逃さないようにしましょう。

・毘沙門天堂

両足院の北に隣接する毘沙門天堂には、本尊 毘沙門天、脇仏 閻魔大王・不動明王がお祀りされています。

勝利の神として商売繁盛、合格祈願、良縁成就、誓願成就などの功験があるそうです。祇園の芸妓、舞妓がお参りして願いを成就させたということから「祇園の縁結び」としても知られています。

さらには、毘沙門天の使徒は「虎」なので、 寅年生まれの守り本尊としても信仰されています。開門中(7:00頃~17:00頃)はいつでもお参りできます。

この毘沙⾨天(7cm、5cm?)は、元々は鞍⾺寺毘沙⾨天の胎内仏で、⽐叡⼭が織⽥信⻑によって焼き討ちにあった際、鞍⾺の僧が、⽐喜多養清(室町将軍の茶家、筑前⿊⽥家京都御⽤達)のところへ疎開させたものです。

関ヶ原の戦い(1600年)では、関東方の黒田長政が出陣する際に、この尊像を内兜に収めて奮戦し勝利を収めたといわれています。その後、尊像は代々黒田家で信仰されましたが、明治10年ごろ両足院に寄進されました。

両足院 毘沙門天
ミィコ

半夏生の庭が有名ですが、方丈前庭も渋くて素敵でした。

【5】毘沙門天の可愛いおみくじ

両足院の毘沙門天堂でお祀りされている、勝利の神・毘沙門天。日本では革製の甲冑を身に着けら唐代の武将風の姿で表されます。

毘沙門天の使徒である、虎の可愛いおみくじもありました^^

毘沙門天おみくじ
▲可愛い毘沙門天
ミィコ

初夏の特別拝観の限定御朱印もあります^^

【6】両足院 アクセス

両足院は建仁寺の境内にあります。

[地図]
B地点:両足院

A地点:最寄り駅(祇園四条駅・清水五条駅・バス停 清水道)

・電車 最寄り駅

  • 阪急京都線「京都河原町駅」1B出口から両足院まで 徒歩約10分
  • 京阪本線「祇園四条駅」6番出口から両足院まで 徒歩約7分
  • 京阪本線「清水五条駅」5番出口から両足院まで 徒歩約10分
    ※清水五条駅は、特急は停車しません。

・京都駅から

  • 市バス
    ★京都駅前バスターミナルのりば案内
    [D1乗り場] 洛バス100 清水寺祇園・銀閣寺行「清水道」まで約14分
    [D2乗り場] 市バス206 北大路バスターミナル行「清水道」まで約17分
    ※バス停「清水道」から両足院まで 徒歩約7分
  • TAXI 所要時間 約9分/910円
    総距離 約2.7km タクシー料金検索
    ※料金・所要時間は実際とは異なる可能性があります。
ミィコ

両足院を訪れたなら、本山である建仁寺の参拝もお薦めします!

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※この記事の史実に関する記載は、両足院公式サイト、パンフレット、Wikipedia、京都風光サイト等を参考に作成しました。