二尊院 | 見どころと御朱印。四季折々の風情豊かな紅葉の参道

二尊院 参道

二尊院(にそんいん)は「嵯峨三名跡(天龍寺 ・大覚寺 ・二尊院)」のひとつに数えられる、百人一首にも詠われた嵯峨野の小倉山のふもとに広がる寺院です。

二尊院の名は、二体の本尊「発遣(ほっけん)の釈迦」と「来迎(らいごう)の阿弥陀」如来像に由来します。

有名な「紅葉の馬場」と呼ばれる広々とした参道は、桜や紅葉の名所として人気のスポット。数々の時代劇のロケ地にもなっています。

見どころと御朱印の拝受方法をご紹介します。

基本情報
二尊院 (正式名:小倉山 二尊教院 華台寺)
所在地 京都市右京区嵯峨二尊院門前長神町27
TEL.075-861-0687

■拝観時間 9:00~16:30(受付終了)
■拝観料 1名 500円

二尊院 公式サイト

【1】二尊院 とは

・二尊院の由来

二尊院の創建は平安時代初期の承和年間(834~847年)。嵯峨天皇の勅願により 第三代天台座主 円仁(慈覚大師)が建立したと伝わります。

のちに荒廃しますが、鎌倉時代に法然とその弟子である湛空(たんくう)らにより再興され大いに繁栄しました。

二尊院という寺名は、御本尊である遺迎(けんごん)二尊像「釈迦如来」と「阿弥陀如来」の二如来像に由来します。この二尊を祀る思想は唐の僧 善導がひろめ、法然に伝わったものです。

善導(ぜんどう) [613~681年]
中国,唐の浄土教の大成者。道綽(どうしゃく)について浄土教を学び,浄土教の大成者となる。長安を中心に浄土教を広め,念仏生活に終始した。特に口に出して「南無阿弥陀仏」と称えること (口称念仏) を教えた。日本の法然,親鸞に絶大な影響を与えた。

出典:ブリタニカ国際大百科事典より抄録

法然(ほうねん)[1133~1212年]
鎌倉初期の僧。浄土宗の開祖。円光大師。1147年比叡山で源光の門に入り,天台を学んだが,1150年教学などに対する疑問を生じ,西塔黒谷の叡空のもとに隠棲し,以後20年間修学,善導の《観経疏(かんぎょうしょ)》によって,称名念仏に専修する悟りに達した。

出典:百科事典マイペディアより抄録

遺迎二尊像

二尊像は、鎌倉時代中頃に春日仏師によって作られたと言われています。両像が左右対称形となっているのが特長で、特に左側の阿弥陀如来像に注目。

右の釈迦如来像が右手を上げ、左手を下げる一般的な印相を示しているのに対し、阿弥陀像は右手を下げ、左手を上げる通常とは逆の形に造られています。

さらに、一般的に阿弥陀如来像は親指と人差し指、親指と中指、親指と薬指のいずれかで輪をつくる印相を示しますが、下げた右手の指を5本とも真っ直ぐ伸ばしている点も珍しい そうです。

  • 発遺の釈迦(右): 現世から来世へと送り出す
  • 来迎の阿弥陀(左):西方極楽浄土へ迎え入れる

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▲木造釈迦如来立像(右)・阿弥陀如来立像(左)By Daderot, CC0, Link

二尊院の歩み

  • 平安時代初期の承和年間(834~847年)、嵯峨天皇の勅願により第三代天台座主 円仁(慈覚大師)が建立。
  • その後、荒廃
  • 鎌倉時代中期に法然上人(1133〜1212年)が九条家の援助で、天台宗・真言宗・律宗・浄土宗の四宗兼学の道場として再興。法然は二尊院に住んで法を説き、関白 九条兼実(1149〜1207年)を筆頭に多くの帰依を集めて栄華を迎えました。
  • 法然の弟子・第三世 湛空(たんくう)上人は、土御門天皇 [在位1198〜1210] と後嵯峨天皇 [在位1242〜1246] の戒師(仏門に入るときに戒を授ける師僧)となり、諸堂をととのえました。第四世 叡空上人は後深草天皇 [在位1246〜1259]、亀山天皇 [在位1259〜1274]、後宇多天皇 [在位1274〜1289]、伏見天皇 [在位1287〜1298] 四帝の戒師となり、ますます繁栄しました。
  • 応仁の乱(1467〜1477年)の兵火で諸堂を全て焼失。
  • 永和十八年(1521年)第十六世 恵教上人(後奈良天皇の戒師)の時代に、三条西実隆公が諸国に寄付を求めて本堂・唐門を再建。江戸時代後期より天台宗の属しています。
ミィコ
二尊院が属する天台宗は平安時代に最澄が開いた宗派で比叡山延暦寺が本山。法然は延暦寺から飛び出して浄土宗を開いた人。延暦寺(天台宗)は日本の仏教の最強キーワードですね^^

【2】二尊院 見どころ

・総門

重厚感のある伏見城にあった薬医門を、慶長18年(1613年)に移築したものです。京都の豪商 角倉了以によって寄進されました。

総門の下に可愛い椿が。こちらに気を取られて全体写真撮るの忘れました^^

二尊院 総門

・紅葉の馬場

総門の先に真っすぐに伸びた約100mの参道の両脇には、モミジとサクラの木が交互に植えられ、春は華やかな桜、夏は新緑、秋は紅葉、冬は霜で木々が輝き、四季それぞれの風景を楽しめます。

特に、秋の小倉山を背景にした色鮮やかな紅葉の美しさから「紅葉の馬場」呼ばれています。

また、往年の時代劇、遠山の金さん、暴れん坊将軍、水戸黄門etc.のロケ地として何度も登場しています。

二尊院 参道
▲二尊院 参道
二尊院 参道

・勅使門

参道を直進し左へ進むと、唐破風の勅使門があります。かつては、天皇の使いである「勅使」が出入りする際のみに使われていた格式高い門です。

永正18年(1521年)公卿 三条西実隆(さんじょうにし さねたか)による再建。

二尊院 勅使門
▲勅使門
二尊院 勅使門 扁額
▲後柏原天皇宸筆「小倉山」

・本堂

二尊が安置されている本堂です。

二尊院は室町時代の応仁の乱(1467〜1477年)の兵火で諸堂を全焼。永正18年(1521年)に公卿 三条西実隆によって再建されました。本堂に掲げられている「二尊院」の勅額は後奈良天皇の自筆で、再建時に与えられたものです。

二尊院 本堂
▲二尊院本堂
二尊院 本堂からの風景
▲本堂からみた勅使門

・その他、見どころ

弁天堂

弁財天の化身である九頭龍大神・宇賀神を祀るお堂。湛空上人が靈蛇に自らの戒法を授けたという、二尊院縁起の話に由来します。

二尊院 弁天堂
▲弁天堂

湛空廟(たんくうびょう)

小倉山の中腹にあり、二尊院を再興した第三世 湛空(たんくう)上人の石碑が収められています。碑は慶長5年(1253年)に中国の石工によって彫られたと推測されています。

二尊院 湛空廟
▲湛空廟

八社宮

室町時代末期に表鬼門として境内の東北の場所につくられた社です。伊勢神宮・松尾大社・愛宕神社・石清水八幡宮・熱田神宮・日吉神社・八坂神社・北野天満宮の八社が祀られています。

二尊院 八社宮
▲八社宮

小倉山荘「時雨亭」跡

湛空廟の右をしばらく歩いた場所に、百人一首ゆかりの藤原定家が営んだ小倉山荘「時雨亭」跡の駒札が立っています。石の土台がありますが、平安時代からあるようには見えないかも。「時雨亭」候補地は、 厭離庵、常寂光寺にもあります。

石碑「小倉餡発祥の地」

あんこの歴史は、このあたり “小倉の里” から始まりました! せんべいをつくっていた和三郎という菓子職人が、809年に空海が中国から持ち帰った小豆の種子を栽培し、820年に御所から下賜された砂糖を加えて餡を作ったと伝わります。

二尊院 小倉餡発祥の地 石碑

お墓

二尊院の墓地も紅葉の馬場と同様、時代劇のロケによく使われています。

この墓地には、三帝陵(土御門天皇、後嵯峨天皇、亀山天皇の分骨を安置)、公家の二条家・三条家・四条家・三条西家・嵯峨家などのお墓、京都の豪商 角倉了以のお墓などがあります。

ミィコ
参道、紅葉の馬場を歩くだけでもリフレッシュできます!個人的には小倉あん発祥の地というエピソードがツボでした^^

【3】御朱印

本堂の左手に本堂への入り口があり、靴を脱いで上がったところに御朱印の受付があります。御朱印帳を預けて拝観し、帰りに受け取るシステムです。

定番の御朱印は「本尊二尊」。
他に、法然上人二十五霊場 17番であることから「圓光大師」、「御詠歌」、「九頭竜弁財天」の御朱印があります。また、春と秋には限定御朱印があります。

二尊院 御朱印
▲二尊院 御朱印
ミィコ
目の前で見事な筆さばきを見るのも楽しいですが、ゆっくり拝観してから帰りに受け取るシステムも待ち時間がなくていいですね^^

【4】二尊院 アクセス

・最寄り駅

[A] 最寄り駅
[B] 二尊院

電車最寄り駅

地図の上から、
・JR嵯峨野線「嵯峨嵐山駅」徒歩約17分
・京福電鉄 嵐山線「嵐山駅」徒歩約16分
・阪急電車 嵐山線「嵐山駅」徒歩約26分

観光ポイント
嵯峨嵐山を効率よく巡るには、地図とにらめっこして計画するのがお薦めです。二尊院からさらに北方面へ足を延ばす場合は電車の駅はありません。帰りは嵯峨嵐山へ戻ってくるか、バス停をチェックしておきましょう。

京都市交通局観光マップ「地下鉄・バスなび」

最寄りバス停

京都市バス
 28、91番で「嵯峨釈迦堂前」徒歩約10分
京都バス
 62 番で「嵯峨釈迦堂前」徒歩約10分

・京都駅から

★京都駅前バスターミナルのりば案内
[C6乗り場] 市バス28 大覚寺行「嵯峨釈迦堂前」まで約50分。
※下車、徒歩約10分。

JR嵯峨野線 [31/32/33番のりば] 「嵯峨嵐山駅」まで約17分。
※下車、徒歩約17分。

・三条京阪から

[F乗り場] 京都バス62 清滝行き「嵯峨釈迦堂前」まで約51分。
※下車、徒歩約10分。

ミィコ
嵯峨嵐山は名所旧跡が多いので、一緒に訪れるのがおすすめ。すぐ近くに、常寂光寺、落柿舎があります。

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※この記事の史実に関する記載は、二尊院公式サイト、二尊院パンフレット、書籍「京都の寺社505を歩く」、コトバンク、Wikipedia等を参考に作成しました。