妙心寺 退蔵院 | 桜と紅葉の庭園と枯山水 [常時拝観]

妙心寺 退蔵院

退蔵院(たいぞういん)は、日本最大の禅寺「妙心寺」内に立ち並ぶ46の塔頭寺院のひとつで山内屈指の古刹です。

禅寺らしいストイックな雰囲気の山内とは対照的に、退蔵院の奥には枯山水庭園や、自然豊かで美しい庭園が広がっています。心静かなひと時を楽しむのにピッタリ。

場所は、妙心寺 南総門から入って三門の西側。見どころとアクセス方法をご紹介します。

基本情報
退蔵院|妙心寺塔頭
所在地 京都市右京区花園妙心寺町35
TEL.075-463-2855
拝観時間 9:00~17:00(受付終了)
拝観料 一般(高校生含む)600円、小中学生300円
退蔵院 公式サイト

【1】常時拝観できる妙心寺塔頭

妙心寺山内で一年を通して拝観可能な塔頭は3か所。
退蔵院、桂春院、大心院です。
※妙心寺公式サイト|拝観コース例

山内塔頭寺院
・通年公開/退蔵院、桂春院、大心院
・特別公開/大法院、東林院
・限定公開/大雄院、慧照院

山外塔頭寺院
・通年公開/龍安寺(世界文化遺産)
・限定公開/西源院

・妙心寺山内 案内図

※退蔵院はNo.35です。
1.天球院、2.隣華院、3.光国院、4.雲祥院、5.長慶院、6.天祥院、7.壽聖院、8.金牛院、9.智勝院、10.蟠桃院、11.桂春院、12.徳雲院、13.大法院、14.大龍院、15.春光院、16.麟祥院、17.大通院、18.海福院、19.養徳院、20.大雄院、21.玉龍院、22.通玄院、23.霊雲院、24.雑華院、25.如是院、26.福寿院、27.聖沢院、28.東海庵、29.大心院、30.東林院、31.玉鳳院、32.開山堂、33.涅槃堂、34.天授院、35.退蔵院、36.衡梅院、37.長興院、38.養源院、39.慈雲院、40.龍泉庵、41.慧照院、42.龍華院、A.宗務本所、B.花園会館

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By Fraxinus2妙心寺山内 案内図, CC 表示-継承 4.0, Link

ミィコ
妙心寺山内はめちゃ広いです。妙心寺の仏殿・法堂、塔頭寺院を見学したい時は、あらかじめコース確認をお勧めします。

【2】退蔵院の拝観方法

・通常拝観

拝観時間 9:00~17:00(受付終了) ※休園なし
拝観料 一般(高校生含む)600円、小中学生300円

※枯山水「元信の庭」は、方丈の脇から見ることが出来ます。

・特別拝観

春の特別拝観、秋の特別拝観が行われます。

※その他の時期は、10名以上の予約をすれば特別拝観可能です。
特別拝観 10名以上での予約が必要
拝観時間 9:00~17:00(最終終了時刻)
拝観料 一律900円(団体割引なし)

※方丈内・元信の庭・ 瓢鮎図・書院にある「囲いの席」(かくれ茶室)等の見どころをガイド付きで見学できます。
※所要時間約30分。
※季節限定の食事付き特別拝観も開催されています。
詳しくは公式サイトをチェック

ミィコ
元信の庭をしっかり見たい方は、特別拝観を狙いましょう。特別拝観限定のお菓子の販売もあるそうです。

【3】妙心寺と退蔵院の歴史

退蔵院は、室町時代に創建された山内屈指の古刹です。

  1. 暦応5年/康永元年(1342年)妙心寺 創建。
  2. 応永6年(1399年)妙心寺は南北朝の勢力争いに巻き込まれ、将軍足利義満の怒りを買い、寺領を没収されて中絶。
  3. 応永11年(1404年)退蔵院 創建。越前国の豪族・波多野重通(はたのしげみち)が、開山に妙心寺第三世 無因宗因(むいんそういん|1326~1410年)禅師を招いて千本通松原に創建
  4. 永享4年(1432年) 妙心寺は、かつて無因宗因禅師に師事した日峰宗舜(にっぽうそうしゅん )禅師を迎えて復活。退蔵院は妙心寺山内に移転。
  5. 応仁の乱(1467~1477年)で、退蔵院は妙心寺とともに炎上し衰退。
  6. 江戸時代、慶長2年(1597年)に亀年禅愉(きねん ぜんゆ)によって再興、現在に至る。

名前の由来
「退蔵」という言葉には、「価値あるものをしまっておく」という意味があるように、陰徳(人に知られないようにして良い行いをする)を積み重ね、それを前面に打ち出すのではなく、内に秘めながら布教していくということを示しています。

出典:退蔵院公式サイト
退蔵院 門
▲山門は「薬医門」と呼ばれる御屋敷門(江戸時代中期)
てっせん
ミィコ
退蔵院の「退蔵」の意味に感銘をうけました。布教はしないけど、ひそかに善い行いを積み重ねたいです^^

【4】退蔵院 見どころ

方丈への入口の門は「袴腰(はかまごし)造り」と呼ばれ、唐破風造りの破風の曲線が直線になってる非常に珍しい様式。当時は、法要儀式や高貴な方々の出入り以外は使用されなかったそうです。(重要文化財)

方丈の縁側に上がると、中央に国宝 「瓢鮎図(ひょうねんず)」の複製が飾ってあり、鶴の絵が印象的な木の扉の左奥の縁側から、枯山水庭園「元信の庭」を見ることができます。

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By 663highland退蔵院方丈(重要文化財), CC 表示 2.5, Link

方丈前の庭
▲方丈前の庭はあっさりした雰囲気
方丈
▲印象的な鶴の絵

・枯山水庭園「元信の庭」

通常拝観では方丈脇から見ることが出来ます。
背景に常緑樹を主に配し、一年を通して変わらない「不変の美」を表現していると考えられるそうです。国の名勝史跡庭園。

風格を感じさせる作庭は、室町時代の絵師、狩野派の絵画様式の確立者といわれる狩野元信。画家として円熟した70歳の頃の作庭とされ、自身の描いた絵を立体的に表現した、珍しい作品の一つと数えられています。

狩野元信の庭
▲枯山水「元信の庭」
狩野元信の庭
▲方丈の端から見えます

・瓢鮎図(ひょうねんず)

日本最古の水墨画で国宝「瓢鮎図(ひょうねんず)」の複製が方丈前に展示されています。

日本の山水画の始祖といわれる、室町時代初頭に活躍した画僧 如拙(じょせつ)が、室町幕府将軍足利義持の命により、「なまずを瓢箪で捕まえられるか?」という禅問答の課題を描いたものです。

▼瓢鮎図(部分)

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By 如拙 (Josetsu) – 「日本の美術 No.13 水墨画」至文堂、1967年5月発行, パブリック・ドメイン, Link

この絵の上部には、当時の京都五山の禅僧31人の賛詩が書かれています。それも併せて価値が高い水墨画と言われています。禅僧の解答例は、ひねりが効きすぎてるような^^

解答例
『瓢箪で鮎を押さえつけるとは、なかなかうまいやり方だ。もっとうまくやろうなら、瓢箪に油をぬっておくがよい』(周宗)
『瓢箪でおさえた鮎でもって、吸い物を作ろう。ご飯がなけりゃ、砂でもすくって炊こうではないか。』(梵芳)

出典:退蔵院公式サイト
退蔵院 通路
▲方丈から、南へ移動します
なまず
▲ナマズ発見!

・しだれ桜

門をくぐると、ゴージャスな枝垂れ桜がお出迎え。新緑の季節も美しいです。

退蔵院 桜
▲退蔵院の枝垂桜 京都の桜 フリー写真

・陰陽の庭

枝垂桜の手前には枯山水、北側に陰の庭(黒砂)、南側に陽の庭(白砂)があります。とはいえ、この日はお天気が良すぎて色の違いがよくわかりませんでした^^

敷砂の色が異なる二つの庭は、物事や人の心の二面性を伝えているそうです。

陰陽の庭「陽の庭」
▲ 陰陽の庭(陽)は、白砂
陰陽の庭「陰の庭」
▲ 陰陽の庭(陰)は、黒砂

・昭和の名園「余香苑」

造園家、中根金作氏の設計で昭和40年に完成。しだれ桜、藤、サツキ、蓮、金木犀、楓など、四季それぞれの美しさに彩られる庭園です。途中に水琴窟や鹿威しを見学することが出来ます。

奥に進むと、少しづつ庭の全貌が明らかになってきます。庭園の中心には瓢鮎図にちなんだ、ひょうたん池が配され、なだらかな勾配になっている借景が美しい庭園です。

余香苑
▲なだらかな勾配になっています
余香苑
▲ ひょうたん池。左後方にしだれ桜が見えます
余香苑
ミィコ
枯山水と池泉回遊式庭園。趣の異なる二つの庭園が楽しめます。お茶席もあるので、ゆっくり休憩もできます^^

【5】退蔵院 アクセス

[1] 南総門からの参拝
地図のブルー・ラインは、妙心寺の正式な参拝コース。

最寄駅:JR山陰線 / 嵯峨野線「花園駅」
最寄バス停:「妙心寺前」

妙心寺 南総門
▲妙心寺 南総門

[2] 北総門からの参拝
地図のオレンジ・ライン。山内独特の風情を楽しめます。

最寄駅:京福電鉄 北野線「妙心寺駅」
最寄バス停:「妙心寺北門前」

妙心寺 山内
▲妙心寺 山内の石畳

・京都駅から

JR山陰線 / 嵯峨野線 亀岡・福知山方面、嵯峨嵐山、園部行き乗車「花園駅」まで約12分。 花園駅から退蔵院まで徒歩約8分。

・京都駅前バスターミナルから

★京都駅前バスターミナルのりば案内
[D3のりば] 市バス26 御室仁和寺・山越行き乗車「妙心寺北門前」まで約42分。北門から退蔵院まで徒歩約7分。

TAXI 所要時間 妙心寺前まで 約20分/2,170 円
総距離 約6.7km タクシー料金検索
※料金・所要時間は実際とは異なる可能性があります。

・三条京阪から

[A1のりば] 市バス10 北野天満宮・御室・山越行き乗車「妙心寺北門前」まで約35分。北門から退蔵院まで徒歩約7分。
[Fのりば] 京都バス 63、64、65、66 嵐山・清滝・有栖川行き乗車「妙心寺前」まで約26分。妙心寺前から退蔵院まで徒歩約6分。

TAXI 所要時間 約17分/1,900円
総距離 約5.7km タクシー料金検索
※料金・所要時間は実際とは異なる可能性があります。

ミィコ
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※この記事の史実に関する記載は、退蔵院公式サイト、駒札、パンフレット、妙心寺公式サイト、Wikipedia等を参考に作成しました。

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