金閣寺の正式名称は、鹿苑寺(ろくおんじ)。有名な舎利殿「金閣」にちなんで、一般的には「金閣寺」と呼ばれています。
室町幕府3代将軍 足利義満が出家しつつ実権を握り政務を執り行った、当時の粋をつくした別荘「北山殿(きたやまどの)」がはじまりです。義満の死後、遺言により禅寺となりました。
見どころはズバリ舎利殿「金閣」。10.8センチ四方の金箔が約20万枚貼られているそうです。本物の金色の建物を見る機会はそうそうありませんよね!まさに、一見の価値ありです。
金閣寺の見どころや歴史、アクセス、他の観光地へのアクセス方法をまとめました。
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【1】金閣寺 由緒と歴史
京都北山は800年前から、貴族の別荘地だったようです。
金閣寺が建立される前の北山には、鎌倉幕府との連絡役・関東申次を務めた公卿 藤原公経(ふじわら の きんつね)=西園寺公経(さいおんじ きんつね)の山荘「北山第」がありました。
・鎌倉時代|西園寺公経の山荘
藤原公経は鎌倉幕府の源頼朝の外戚として勢力を伸ばし、多くの荘園や宋貿易による莫大な収入を得て豪華奢侈を極めました。
中でも元仁元年(1224年)、京都北山に造営した菩提寺「西園寺」と山荘「北山第」は、天下の壮観と称えられたといいます。※西園寺の家名は、公経が西園寺殿と称されたことに由来。
時は移り、1333年に鎌倉幕府が滅亡。
当主の西園寺公宗(さいおんじ きんむね)は、後醍醐天皇を暗殺し後伏見法皇の擁立するという謀略をして、逮捕・処刑されます。そのため、西園寺家の膨大な所領と資産は没収され、西園寺も荒廃していきました。
・室町時代|足利義満の別荘
応永元年(1394年)、室町幕府3代将軍 足利義満は、将軍職を9歳の子 義持に譲り実権を握ったまま出家。
応永4年(1397年)河内の領地と交換に西園寺の所領を譲り受け、粋を尽くした別荘「北山殿(きたやまどの)」を造営します。
その規模は御所に匹敵したと言われ、政治中枢のすべてを集約し北山殿で政務を執りました。
義満の死後、応永27年(1420年)に北山殿は義満の遺言により禅寺とされ、義満の法号「鹿苑院殿」から鹿苑寺と名付けられました。勧請開山は夢窓疎石。
後の応仁の乱(応仁元年(1467年)~文明9年(1477年))では西軍の陣となり建築物の多くを焼失しました。
・江戸時代|再建
主要な建物は再建され、舎利殿(金閣)も慶安2年(1649年)に大修理。
・明治、大正時代|一般公開と国宝指定
明治維新後の廃仏毀釈により、寺領の多くが返上されて経済的基盤を失なうが、明治27年(1894年)から庭園及び金閣を一般に公開すると共に拝観料を徴収して寺収入を確保。
舎利殿(金閣)
明治30年(1897年)に特別保護建造物指定。明治37年(1904年)~明治39年(1906年)に解体修理。
庭園
大正14年(1925年)史蹟名勝天然紀念物保存法により史跡・名勝指定。その後、昭和31年(1956年)に、特別史跡・特別名勝に指定。
・昭和時代|金閣焼失と再建
舎利殿(金閣)
昭和4年(1929年) 国宝に指定。
昭和25年(1950年)放火により建物・仏像等を焼失(金閣寺放火事件)。国宝指定の解除。

金閣寺放火事件
出典:Wikipediaより抄録
1950年7月2日の未明、金閣から出火。第一報で消防隊が駆けつけた時には手の付けようがない状態だったそうです。不審火の疑いで同寺子弟の見習い僧侶を逮捕。厭世感情からくる複雑な感情が入り乱れた末の放火と推測されていますが、確かな動機は不明のまま6年後に病死。
三島由紀夫、水上勉などの有名作家が、この事件をモチーフにした文学作品を創作しています。
昭和27年(1952年)~昭和30年(1955年)舎利殿(金閣)再建。
昭和61年(1986年)~昭和62年(1987年)舎利殿(金閣)金箔の張り替えなどの修復。
・平成時代|メンテナンス
平成9年(1997年) 夕佳亭の解体修理。
平成17年(2005年)~19年(2007年)方丈の解体修理。

舎利殿は、過去に解体修理が行われていたから、焼失後もスムースに再建できたんですね。
【2】金閣寺 見どころ
金閣寺の見どころは、特別名勝の池泉回遊式庭園と金色に輝く舎利殿「金閣」。
境内は参拝順路が設定されていて所要時間は40~50分くらい。出口は入口とは別の場所になります。
ただし、写真を撮ったり、休憩所でお茶したり、お土産を買ったり、御朱印をいただくのに並んだりする場合は、1時間30分~くらい予定した方が良さそうです。

・鹿苑寺|総門
鹿苑寺の総門を入って、奥にある受付で拝観券を購入します。


昔は手水鉢だったようです

・舎利殿|金閣
鏡湖池(きょうこち)の対岸に舎利殿「金閣」が現れます。この日の天気は曇りのち晴れで、日光が差すと金色がぱあっと輝き印象的な美しさでした。
金閣は木造3階建ての楼閣建築で、各層が異なった様式になっています。仏舎利が安置されている3層は内部の壁も金色だそうです。内部は拝観できませんが、パンフレットに写真が載っています。
初層:法水院(ほうすいいん)|寝殿造+釣殿
二層:潮音洞(ちょうおんどう)|武家造
三層:究竟頂(くっきょうちょう)|禅宗仏殿造
金箔の量は?
出典:レファレンス 共同データベース
金箔の張り替えは、昭和61年(1986年)2月から始まり、 昭和62年(1987年)9月10日に完成した。10.8センチ四方の金箔約20万枚(約20キロの金)を使用。張り替え前の10倍の量で、金箔の厚さは5倍でそれを二重に貼った。総工費は7億4千万円。




初層に付属する小亭、寝殿造の釣殿(つりどの)

・方丈、白蛇の塚、茶室 夕佳亭
インパクトのある舎利殿「金閣」を見た後なので、正直なところ、すべてが地味に見えてしまうかも^^ 一部をご紹介します。

本堂に相当する建物で通常非公開

白蛇は、知恵・芸能・福徳を与え家運を盛んにする弁財天の使い

明治時代の再建。

借景の山や庭園の池に映えて美しくたたずむ舎利殿「金閣」。実物は、写真ではわからない金箔の質感や輝きを堪能できます^^
【3】金閣寺 御朱印
朱印所は順路の最後で、周りにはお土産屋さんが並んでいます。
御朱印は「舎利殿」です。


御朱印の順番を待ちながら、お守りやグッズを横目で見れるので、よくできた順路です^^
【4】金閣寺 アクセス
市バスが便利です。
・京都駅から
- 市バス
★京都駅前バスターミナルのりば案内
[B2のりば] 洛バス101 北大路バスターミナル行き
※金閣寺道まで約37分
[B3のりば] 市バス 205 京都水族館・西ノ京円町・金閣寺道行
※金閣寺道まで約43分 - TAXI 所要時間 約23分
総距離 約8.1km タクシー料金検索
※料金・所要時間は実際とは異なる可能性があります。
・三条京阪から
- [A2のりば] 市バス59 金閣寺・竜安寺・山越行
※金閣寺前まで約36分 - TAXI 所要時間 約27分
総距離 約8.8km タクシー料金検索
※料金・所要時間は実際とは異なる可能性があります。
【5】他の観光地へのアクセス
・金閣寺→ 銀閣寺
金閣寺から、金閣寺道バス停まで徒歩約8分。
銀閣寺行きバス停 [B] は、一番下の緑のポイントです。
- 金閣寺道バス停[B] 市バス204
銀閣寺行き 時刻表
※銀閣寺道まで約36分/下車徒歩約12分(合計約56分) - 金閣寺道バス停[B] 洛バス102
銀閣寺行き 時刻表
※銀閣寺道まで約26分/下車徒歩約12分(合計約46分) - TAXI 所要時間 約22分
総距離 約6.5km タクシー料金検索
※料金・所要時間は実際とは異なる可能性があります
・金閣寺→ 龍安寺→ 仁和寺
金閣寺から、同じく世界文化遺産の、龍安寺(りょうあんじ)、仁和寺(にんなじ)へは、緑豊かな観光道路「きぬかけの路(みち)」を散策しながら行くことができます。
金閣寺から龍安寺まで徒歩約18分、龍安寺から仁和寺まで徒歩約11分です。
※仁和寺前には、嵐電(京福) 北野線「御室仁和寺駅」があり、22分ほどで嵐山へ行くこともできます。
- 嵐電(京福)北野線
「御室仁和寺駅」から帷子ノ辻行き乗車→ 「帷子ノ辻駅」で嵐山本線 嵐山行に乗換「嵐山駅」下車。
※嵐山までの乗車時間は約14分。合計所要時間:約22分。
・金閣寺→ 嵐山
金閣寺から嵐山までは、バスと電車で約40~45分くらいです。(乗換時間含む)
- 金閣寺道バス停[B] から「北野白梅町」まで
・市バス204 西ノ京円町・銀閣寺道行
・市バス205 京都水族館・京都駅・九条車庫行
・洛バス101 京都駅前行
・洛バス102 錦林車庫前行
※北野白梅町バス停まで約5分
↓
[電車に乗り換え]
嵐電(京福)北野線「北野白梅町駅」 から帷子ノ辻行き乗車
↓
[帷子ノ辻で乗り換え]
嵐電(京福)嵐山本線 嵐山行き乗車「嵐山駅」下車
※嵐山まで乗車時間約19分 - TAXI 所要時間 約20分
総距離 約8km タクシー料金検索
※料金・所要時間は実際とは異なる可能性があります

金閣寺、龍安寺、仁和寺の世界文化遺産3か所をはしごするコースは文化の刺激で、おなか一杯になりそうです^^
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金閣寺と銀閣寺。共通点と違い、アクセス方法まとめ
銀閣寺 | 見どころと御朱印、他の観光地へのアクセス
龍安寺 | 枯山水で有名な石庭、御朱印と見どころ
※この記事の史実に関する記載は、相国寺公式サイト、鹿苑寺パンフレット、駒札、Wikipedia等を参考に作成しました。
鹿苑寺
所在地 京都市北区金閣寺町1
TEL.075-461-0013
鹿苑寺公式サイト
拝観料金 大人・高校生 500円、小・中学生 300円
拝観時間 9:00~17:00
※年中無休