龍安寺 | 枯山水で有名な石庭、御朱印と見どころ

龍安寺

龍安寺は臨済宗妙心寺派の禅寺で、世界文化遺産。

有名な枯山水の石庭は、静かに心眼を開き自問自答するのにふさわしいお庭です。ですが、現実的には世界中の観光客で賑わっている中で、無になるのは難しいかもしれません^^

そして、石庭とは対照的な鏡容池を廻る池泉回遊式庭園は広々と自然豊かで、四季折々の花、青紅葉や紅葉を楽しみながら散策することができます。

見どころとアクセス方法をご紹介します。

基本情報

龍安寺(りょうあんじ)
所在地 京都市右京区龍安寺御陵ノ下町13
TEL.075-463-2216
拝観時間 8:00~17:00
※12月1日~2月末日 8:30~16:30
拝観料 大人・高校生 500円、小・中学生300円
龍安寺 公式サイト

【1】龍安寺の歴史

創建者/室町幕府 守護大名 細川勝元
創建開山/義天玄承(ぎてんげんしょう)
勧請開山/日峰宗舜(にっぽうそうしゅん)

  1. 宝徳2年(1450年)細川勝元が、徳大寺家の別荘を譲り受け、妙心寺の義天玄承を招いて建立した禅寺。玄承は師の日峰宗舜を開山に勧請し、自らは創建開山となりました。
  2. まもなく応仁の乱(1467-1477年)で焼失、東軍を率いていた勝元も1473年に陣中で死去。
  3. 明応8年(1499年)に実子・細川政元によって再興。方丈が建立され、石庭もこの時に築造されたと伝わります。その後、名僧が相次いで住職となり、豊臣秀吉や徳川氏が寺領を寄付するなど、23の塔頭を数えるほど栄えました。
  4. しかし、寛政9年(1797年)に方丈、開山堂、仏殿を焼失。次第に復興するも、盛時の寺観には戻りませんでした。
  5. 明治初期の廃仏毀釈によってさらに衰退。
  6. 昭和50年(1975年)、イギリスのエリザベス2世が日本を公式訪問した際、龍安寺の拝観を希望し、石庭を称賛したことが海外でも報道され、当時の海外でのZEN(禅)ブームと相まって世界的に有名になりました。
ミィコ

室町時代の将軍や大名は「禅」ブームだったようです。「禅」の文化は、戦乱をなくす方向には役立たなかったのでしょうか?

【2】龍安寺 見どころ

イチオシは世界的にも有名な方丈庭園(石庭)。他にも方丈の襖絵や、池泉回遊式の龍安寺庭園など、見どころがたくさんあります。

見学所要時間は、1時間~1時間半くらいです。

・庫裡

庫裡(拝観玄関)で拝観チケットの半券を切ってもらいパンフレットを受け取ります。奥に進むと方丈と石庭、御朱印・お土産販売コーナーなどがあります。

庫裡
▲庫裡玄関、明治の漢学者 寺西乾山(てらにしけんざん)筆/2019.5

・方丈庭園(石庭)

作庭は室町時代と推定されています。国の史跡及び特別名勝の枯山水庭園。

 龍安寺 石庭
▲石庭

作者 不明
開山の義天玄承、細川勝元、細川政元、絵師の相阿弥、茶人の金森宗和など、さまざまな説があり、どれも確証はありません。庭石の裏面に刻まれた「小太郎・□二郎」の刻印も、作者と判定するには憶測の域を出ないそうです。

作庭意図 不明
白砂が敷き詰められた空間に大小15個(東から5個、2個、3個、2個、3個)が配置されています。何を表現しているのかは、作庭意図が伝わっていないので、参拝者の自由な解釈と連想にゆだねられています。虎の子渡しの庭、七五三の庭、中国の五岳や禅の五山の象徴、大海や雲海に浮かぶ島々や高峰など、様々に解釈されています。

・油土塀

 龍安寺 油土塀
▲遠近感に注目!

耐久性重視
180cmの油土塀。菜種油を練り合わせた土で作られていて、白砂からの照り返し防止や風雪などの環境変化に耐えられるよう堅牢な造りになっています。

設計の裏技
よく見ると東南角(方丈から見て右奥)の塀の高さが低くなっています。これは遠近法を利用して、奥行きを感じさせるための高度な設計手法だそうです。

・方丈の襖絵

明治初期の廃仏毀釈により、多数の龍安寺方丈襖絵が海外に流出。

平成22年(2010年)、115年ぶりに狩野派の作と言われる「群仙図」20面のうち4面と「琴棋書画図」20面のうち2面が帰還しました。

方丈襖絵
▲芭蕉図

そして、平成30年には芭蕉図9面 が123年ぶりに帰還。平成31年1月10日から6月10日まで方丈にて特別公開。平成22年に帰還した群仙図4面、琴棋書画図2面も合わせて展示されました。

・知足の蹲踞

龍安寺 茶席 蔵六庵(非公開)の蹲踞の実物大模型。

蹲踞(つくばい)とは、茶室に入る前に手や口を清めるための手水鉢のこと。茶室 蔵六庵の露地にある、銭形の「知足の蹲踞」は、水戸藩主 徳川光圀の寄進と伝わります。

水溜めになっている中央の正方形を漢字部首の「口」と見立てて「吾唯足知(ワレ タダ タルヲシル)」と読みます。「知足のものは貧しといえども富めり、不知足のものは富めりといえども貧し」という禅の格言を謎解き風に図案化したものです。

知足のつくばい
▲知足の蹲踞

・龍安寺庭園

龍安寺は方丈の石庭で有名ですが、寺の南側には広大な鏡容池(きょうようち)を中心とした池泉回遊式庭園(国の名勝)もあります。

四季それぞれの花を楽しみながら、ゆっくり散策することができます。この鏡容池は、徳大寺家によって築かれたもので、かつては、おしどりが多く訪れ、おしどり池と呼ばれていたそうです。

龍安寺 庭園
▲つつじと藤がキレイ(5月初旬)
鏡容池 カキツバタ
▲カキツバタ(5月初旬)
龍安寺庭園
▲水鳥と出会いました
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枯山水と池泉回遊式庭園が楽しめる贅沢な場所です^^

【3】龍安寺 御朱印

御朱印所は庫裡の中にあり、9:00からの受付です。

龍安寺 御朱印
▲石庭です
ミィコ

書置きの御朱印もあり、庫裡の受付で購入することができます。

【4】おすすめ拝観ルート

京福電車「龍安寺駅」、バス停「竜安寺前」からの参拝がおすすめ。緑豊かで静かな参道を味わえる正式なルートです。

龍安寺駅からの参道は、途中で道路「きぬかけの路」で寸断されますが、気にせず直進。山門前の拝観券売り場でチケットを購入し、順路に従って進んで行くと庫裡(拝観玄関)に到着します。

※境内にある湯豆腐の店「西源院」に行くだけなど、庫裡(石庭)に入場しない場合は、その旨を窓口に申し出て境内に入ることができます。

龍安寺参道入り口
▲参道の入り口
龍安寺参道
▲きぬかけの路を挟んでさらに直進
龍安寺 山門
▲龍安寺 山門。左に拝観券売り場があります
龍安寺 参道
▲順路を進んできます
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寺社は参道を通って参拝するのがいいですね。駐車場からだと横から入ることになるので、参拝気分は2割減という感じです。

【5】龍安寺アクセス

一番最寄りは、バス停「竜安寺前」。参道入り口(きぬかけの路)まで徒歩約1分。「立命館大学前」からは徒歩約8分です。

一番正式なルートは京福電鉄「龍安寺駅」です。
※バスの表示は「龍安寺」ではなく「竜安寺」です。

・京福電鉄 龍安寺駅から

  • 京福電鉄 北野線「龍安寺駅」から参道入り口まで 徒歩約8分。

・京都駅前バスターミナルから

  • 市バス
    ★京都駅前バスターミナルのりば案内
    [JR3のりば] 西日本JRバス 高雄京北線(周山行)「竜安寺前」まで約31分。
    ※JRバスは一日乗車券は使えません。
    [B2のりば] 市バス50 立命館大学前行き「立命館大学前」まで約42分。

・三条京阪から

  • 市バス
    [A2のりば] 市バス59 金閣寺・竜安寺・山越行前「竜安寺前」まで約41分。
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バス停の表記は「竜安寺」。漢字が違うと乗換案内アプリの検索結果に反映されない場合もあるので要注意です。

【6】近くの名所旧跡

金閣寺と仁和寺は、きぬかけの路を散策しながら移動できます。

・金閣寺

世界文化遺産 金閣寺の正式名称は、鹿苑寺(ろくおんじ)。鏡湖池(きょうこち)を中心とした特別名勝の池泉回遊式庭園にたたずむ金色に輝く舎利殿「金閣」が有名です。
龍安寺からは、きぬかけの路を歩いて約18分です。

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・仁和寺

堺文化遺産 仁和寺は、格式の高い門跡寺院。御室御所(おむろごしょ)と呼ばれ、門跡としての歴史は慶応3年(1867年)まで続き、多くの寺宝を所蔵しています。
龍安寺からは、きぬかけの路を歩いて約11分です。

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・妙心寺

妙心寺(みょうしんじ)の開基(創立者)は花園天皇。臨済宗妙心寺派の大本山で、修行を重んじる厳しい禅風を特色とする寺院。名勝 妙心寺庭園が有名。塔頭は40数箇院に及び、龍安寺は境外塔頭のひとつ。
龍安寺からは、南へ歩いて約15分 。
妙心寺 公式サイト

ミィコ

金閣寺→龍安寺→仁和寺→妙心寺の順番に巡ると効率いいですが、1日に寺院4箇所はキツイですね^^

※この記事の史実に関する記載は、龍安寺公式サイト、龍安寺パンフレット、駒札等を参考に作成しました。