圓徳院 | ねね御殿跡で写経・抹茶体験。高台寺共通拝観券がお得

圓徳院 襖絵

圓徳院(えんとくいん)は、豊臣秀吉の没後、正室ねね(=高台院)の住居として伏見城の化粧御殿・前庭を移築したお屋敷がはじまりです。ねねは、このお屋敷から台所坂を通って高台寺に通い秀吉の菩提を弔いました。

見どころは桃山時代を代表する庭園の一つとされる北庭、赤松 燎 画伯の襖絵「白龍」、長谷川等伯の障壁画など。写経や写仏も無料(※拝観料は必要です)で体験できます。

お得な高台寺共通拝観券の情報、見どころをご紹介します。

基本情報
高台寺塔頭 圓徳院
所在地 京都市東山区下河原町530
TEL.075-525-0101
拝観時間 10:00~17:00(17:30閉門)
拝観料 大人 500円、中高生 200円(掌美術館含む)
圓徳院 公式サイト

【1】お得な共通拝観券

・拝観券の種類と購入場所

圓徳院だけ拝観の場合は、大人 500円(掌美術館含む)ですが、高台寺も訪ねるなら共通割引拝観券 900円(高台寺・掌美術館・圓徳院)が断然お得。高台寺の美しい写真絵葉書セット(4枚入)も付いてきます^^

※共通拝観券は高台寺、圓徳院、掌美術館で購入できます。

  • 共通割引拝観券 大人 900円
    (高台寺・掌美術館・圓徳院 ※絵葉書セット付き)
  • 圓徳院 拝観券 大人 500円、中高生 200円(掌美術館含む)
  • 高台寺 拝観券 大人 600円、中高生 250円(掌美術館含む)

・圓徳院と高台寺 拝観時間

それぞれ拝観時間が異なります。朝と夕方は気を付けましょう。

  • 圓徳院/10:00~17:00(17:30閉門) 所要時間:約30分
    ※夜間特別拝観期間 日没後~22:30 受付終了(23:00閉門)
  • 掌美術館/9:30~18:00 所要時間:約10分
    ※夜間特別拝観期間 9:30~21:30 受付終了
  • 高台寺/9:00~17:30 (17:00受付終了)所要時間:約40分
    ※夜間特別拝観期間 17:00~21:30(22:00閉門)

・高台寺と圓徳院 時短ルート

圓徳院から高台寺へは、高低差のある台所坂を通って移動します。祇園四条から清水寺への途中に高台寺を参拝する予定なら、下記ルートが少し時短です。

  • 祇園四条から、圓徳院→ 掌美術館→ 高台寺→ 清水寺へ
  • 清水寺から、高台寺→ 圓徳院→ 掌美術館→ 祇園四条へ
台所坂
▲台所坂を上がって高台寺へ
ミィコ
圓徳院から出ると、石畳のスペースがあり、三面大黒天・歌仙堂・掌美術館、抹茶スイーツのお店などが集まっています。

【2】ねね=北政所=高台院

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▲Wikipedia – 『絹本着色高台院像』(高台寺所蔵), パブリック・ドメイン, Link

ねねの年表

天文17年(1548年)杉原定利・朝日殿の次女として誕生
後に浅野長勝の養女となる
永禄4年(1561年)14歳頃、25歳の豊臣秀吉と恋愛結婚
天正13年(1585年)従三位叙任「北政所」の称号を許される
天正16年(1588年)従一位叙任
天正18年(1590年)【豊臣秀吉 天下統一】
慶長3年(1598年)【豊臣秀吉 病没】
慶長8年(1603年)後陽成天皇より「高台院」の院号を賜る
慶長10年(1605年) 伏見城から圓徳院に移住
慶長11年(1606年)高台寺 建立
慶長19年(1614年) 【豊臣家滅亡/大坂の陣】
寛永元年(1624年)圓徳院で死去

・ねねの人柄

豊臣秀吉を内助の功で支えた、良くできた正室として有名。
さらには織田信長も認める美人で、細やかな配慮のできる賢い女性だったようです。

ねねは北政所として朝廷との交渉を一手に引き受け、宣教師 ルイス・フロイスに「関白殿下の妻は異教徒であるが、大変な人格者で、彼女に頼めば解決できないことはない」と評さるほどの手腕も発揮。

秀吉の生母にもよく孝行すると同時に、子供に恵まれなかったため一族の子女を可愛がり、秀吉や自身の親類縁者を養子や家臣として養育しました。

加えて、人質として集められた諸大名の妻子(12歳の徳川秀忠も含む)を監督しつつ手厚くもてなし、特に徳川秀忠とは豊臣家滅亡後も良好な関係が続きました。

・ねね終焉の地の由来

豊臣秀吉没後の慶長8年(1603年)、北政所ねねは夫の菩提を弔うために高台寺建立を発願。そんな ねねを支えたのは、兄の木下家定(足守藩初代藩主)と甥の利房(足守藩主)です。

慶長10年(1605年)には、ねねは秀吉との思い出深い伏見城の化粧御殿と前庭をこの地に移築して移り住みました。77歳で没するまでの19年間をこの地で過ごし、ねねを慕って、大名・禅僧・歌人・画家・陶芸作家などが訪れたといいます。

ねねの没後9年目の寛永9年(1632年)、甥の木下利房が高台寺の三江和尚を開基に木下家の菩提寺としました。そして利房の死後、利房の院号「圓德院」をそのまま寺号として高台寺の塔頭となりました。

圓徳院入口
▲圓徳院の入口

【3】圓徳院の見どころ

北政所ねねは、思い出深い伏見城での住まい「化粧御殿」とその前庭をこの場所に移築して余生を過ごしました。残念ながら、化粧をしたように美しいと言われた御殿は度重なる戦火で焼失。前庭のみ「北庭」として現存しています。

見学所要時間は、30分くらいです。※写経・写仏の時間は含みません。

圓徳院 門
▲圓徳院の正門

・方丈の南庭

日本の庭園史研究家、森 蘊(もり おさむ、1905 – 1988)指導による徳村宗悦の作庭。現在は庭師・北山安夫氏が監修。年中できるだけ花や紅葉を愛でられるように工夫されています。

圓徳院 南庭
▲白砂が美しい枯山水庭園
圓徳院 南庭

・方丈の襖絵

方丈に入ると、本尊正面の室中(しっちゅう)襖絵、「白龍」が目に飛び込んできます。荒れ狂う波涛から天をめざす白龍は、乱世を統一した秀吉をイメージしているそうです。

この襖絵は、日本画画塾 晨鳥社(しんちょうしゃ)所属の日本画家、赤松 燎(あかまつ りょう)画伯の遺作です。

圓徳院 襖絵
▲襖絵「白龍」
圓徳院 襖絵
▲襖絵「雪月花」

上向(じょうかん)の間の襖絵「雪月花」。赤松画伯から引き継いで、志村正 画伯が制作。

・長谷川等伯の襖絵

桐紋を散らした、作画には不向きな唐紙の上に絵が描かれた、非常に珍しい襖絵です。長谷川等伯は白い桐紋をしんしんと降る雪に見立て、雪景色の山水画を描いたと考えられています。

現在、圓徳院では高精細複製の一部が展示されています。作品のオリジナルは京都国立博物館と、等伯の生まれ故郷である石川県の七尾美術館で保管されています。


制作秘話:天正17年(1589年)頃。長谷川等伯は大徳寺塔頭 三玄院の住職 春屋宗園に襖絵制作を常々懇願しながら許されませんでした。ある日、住職が旅に出て留守であることを知ると、客殿に駆け上がり、一気に描きあげてしまったものが、この『山水図襖』です。その後、三玄院から百数十年前に圓徳院に移されました。

・名勝庭園 北庭

伏見城の化粧御殿前庭を移した北庭は、秀吉好みの、庭石や枯滝の石組みが配された豪華で迫力あるスタイル。桃山時代の枯山水庭園の様式を今に伝える庭として、国の名勝に指定されています。

伏見城にあった時は、水が満たされた池泉回遊式庭園でしたが、この地に移されてからは枯山水庭園になりました。庭師・賢庭作で、後に小堀遠州が手を加えたと言われます。

圓徳院 北庭
▲北書院と前庭

庭石が多いのが特徴で、大小合わせて2百以上あります。各地の大名が、自分の地所から選りすぐりの巨大な天然石を寄進したもので、中には名や家紋のついたものもあるそうです。

圓徳院 北庭
▲たくさんの石が配置されています
圓徳院 北庭

・三面大黒天

秀吉が若い頃、とある場所で子供たちが「三面大黒天(さんめんだいこくてん)」を拝んでいるのを見て是非譲ってほしいと願い、守り本尊として出世を願掛けして祈り続けたところ、出世を果たすことができたと伝わります。

尊像は、大黒天を中央に右側に弁財天、左側に毘沙門天の顔も持つ大変珍しいものだそうです。

毎月3日に三面大黒天の縁日があります。詳しくは公式サイト

三面大黒天
▲三面大黒天

・歌仙堂

「歌仙堂」に祀られているのは、北政所ねねの甥、武将・大名でもあった木下勝俊。出家して長嘯子(ちょうしょうし)と名のり、文雅の道に入り数多くの和歌を残し、近世を代表する歌人として「歌仙」と称されました。

長嘯子は、ねねの側近として過ごす傍ら、当代きっての俳人・歌人の松永貞徳をはじめ、徳川幕府側の小堀遠州や林羅山、春日局らとも親交。俳諧師・松尾芭蕉にも影響を与えたといわれます。

歌仙堂
▲歌仙堂
ミィコ
一番の見どころは、北政所御殿跡の前庭の枯山水庭園でしょうか。豊臣家の栄華の一端を感じられる場所です。

【4】写経・写仏、抹茶体験

・写経、写仏体験(無料)

方丈を奥に進んでいくと、写経・写仏体験ができる部屋があります。机と椅子、あらかじめ薄く文字や絵が印刷された写経用紙が用意されているので、自分の願いに合ったものを選んでチャレンジしましょう。

丁寧に願いを込めて筆ペンで書くのがポイント。写経の所要時間は1枚5分程度。写仏はお顔5分、お姿30分程度。複数選んでもOKで、参加費は無料です。

  • 写経体験
    全般の願い:「七仏通誡偈」(16文字)
    健康の願い:「延命十句観音経」(20文字)
    学問仕事成就:「文殊菩薩真言」(21文字)
    金運UPの願い:「大黒天真言」(17文字)
    恋愛の願い「愛染明王帰依」(18文字)
  • 写仏体験
    「三面大黒天」お顔
    「三面大黒天」お姿
    日々の平安を祈りながら筆ペンでなぞって描きます。

・抹茶体験(有料)

  • 秀吉公ゆかりの献茶点前
    秀吉を喜ばせた古田織部考案の点前です。400年前の戦国の世のもてなしを体感して下さい。
     時間 10:30~16:00 受付終了
     料金 1名/1,500円(記念扇子つき)
     所要時間 20分
  • 楽茶碗でのお抹茶
    楽茶碗は千利休・楽長次郎により考案されました。北書院のお庭を見ながら、気軽にお抹茶を体験できます。
     時間 10:30~16:00 受付終了
     料金 1名/500円
  • 予約茶席「小間の茶席」
    圓徳院の北書院にある小間の茶席で、住職手作りの楽茶碗でお茶を体験いただけます。
     ※予約期限 前日16:00 まで
     時間 10:30~16:00 受付終了
     料金 1名/1,500円
     ※茶席予約専用番号 TEL.070-1831-7885

※詳細は公式サイトをご確認ください。

ミィコ
無料の写経は20文字前後なので、気軽に体験できますね!

【5】圓徳院ライトアップ

春と秋に、南庭と北庭のライトアップが行われます。昼間とはまた違った幻想的な庭の光景を楽しむことができます。

ちなみに、紅葉は境内に100本ほど植えられていますが、桜は北庭と渡り廊下に各1本で、あまり目立つ場所ではありません。

  • 春の夜間特別拝観 3月~5月頃
  • 秋の夜間特別拝観 10月~12月頃
ミィコ
ライトアップは、高台寺よりは空いていると思います。

【6】圓徳院アクセス

・祇園四条からのお薦めルート

  • 電車の最寄り駅:京阪本線「祇園四条」、阪急京都線「河原町駅」
  • 市バスの最寄りバス停:「祇園」八坂神社 西楼門すぐ

祇園四条・河原町駅からは徒歩で移動です。バスで少し近くまで行くことも出来るけれど、待ち時間を考えたら歩くのがおすすめ。

まずは四条通りを東へ。突き当りにある八坂神社 西楼門から入り、本殿に参拝。そして南楼門から出て、ねねの道を行くと圓徳院です。

・京都駅前バスターミナル

八坂神社を参拝する場合はバス停「祇園」で降りましょう。八坂神社に行かない場合は、圓徳院に一番近いバス停は「東山安井」になります。

★京都駅前バスターミナルのりば案内
[D1のりば] 市バス100 清水寺祇園・銀閣寺行き「祇園」まで約18分。
[D2のりば] 市バス206 三十三間堂・清水寺・祇園・百万遍行き「祇園」まで約21分。

ミィコ
祇園からのコースをご紹介しましたが、清水寺から高台寺→圓徳院→祇園へ向かうのもおすすめです。清水寺からは下りのコースになります^^

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※この記事の史実に関する記載は、圓徳院公式サイト、圓徳院パンフレット、駒札等を参考に作成しました。

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