霊鑑寺 | 秋の特別公開、見どころとアクセス

霊鑑寺 秋の特別公開

霊鑑寺(れいかんじ)は、臨済宗 南禅寺派の尼門跡(あまもんぜき)寺院です。通常非公開ですが、毎年、春(椿の頃)と秋(紅葉の頃)に特別拝観が行われています。

石組が特徴的な池泉観賞式庭園では、春はツツジや椿、秋には紅葉を楽しむことができます。庭園には、後水尾天皇お気に入りだった樹齢300年とも言われる日光椿をはじめ、椿の名木100種以上が植えられています。

霊鑑寺の由来・アクセス方法、紅葉のお庭と秋の限定御朱印(2018年度)をご紹介します。

“基本情報

霊鑑寺
所在地 左京区鹿ヶ谷御所ノ段町12番地
TEL.075-771-4040

【1】霊鑑寺は、尼門跡寺院

霊鑑寺は、哲学の道から急坂を登った、如意ヶ嶽(にょいがたけ)のふもとにあります。

1654年(承応3年)頃、後水尾(ごみずのお)天皇の皇女・多利宮(たりのみや)を開基として創建されました。

以来、明治維新までに5人の皇女・皇孫が住職を務めたことから「霊鑑寺尼門跡」、所在地にちなみ「鹿ケ谷比丘尼御所」「谷の御所」と呼ばれました。

尼門跡寺院
江戸時代は比丘尼御所(びくにごしょ)と呼ばれました。皇女・女王が住持する尼寺、またはそれに準ずる摂関家の女子・養女が住持する尼寺で、江戸時代末には、皇女・女王が住持の「御宮室」8箇寺と、摂関家の女子・養女が住持の「御禅室」7箇寺がありました。

・御宮室(大聖寺、宝鏡寺、曇華院、光照院、霊鑑寺、圓照寺、林宮寺、中宮寺)
・御禅室(慈受院、三時知恩寺、法華寺、瑞龍寺、総持院、宝慈院、本光院)

明治以降、比丘尼御所号は廃され「尼門跡」と称されます。

霊鑑寺 表門
▲霊鑑寺の山門
霊鑑寺
▲秋らしい立花がお出迎え
ミィコ

山の麓にひっそり佇む霊鑑寺は、谷の御所という名前がぴったりです。

【2】霊鑑寺の由来と見どころ

建造物は、江戸時代の尼門跡らしく格調高い中にも清楚なたたずまいで、京都市の文化財に指定されています。

書院・居間などには、狩野永徳や狩野元信、丸山応挙筆と伝えられる四季花鳥図などの襖絵が残されています。

・霊鑑寺の歴史

  1. 慶長17年(1612年)後陽成天皇の典侍だった持明院基子が出家、妙法院の尭然法親王より鹿ヶ谷の地を贈られ住居を建立。寛永21年(1644年)基子が亡くなると後水尾天皇皇后・東福門院に譲られました。
  2. 承応3年(1654年)後水尾天皇が円成山霊鑑寺を勅許。基子の遺志により、皇女・多利宮を開山として霊鑑寺を創建。
  3. 貞享3年(1686年)後西天皇の院御所の御殿を移築し、表門、玄関、書院、居間などを建立。
  4. 寛政6年(1795年)第11代将軍・徳川家斉の寄進で本堂建立。

・霊鑑寺の名前の由来

霊鑑寺本堂には、恵心僧都(えしんそうず)作の “如意輪観音像” が安置されています。この像はかつて東の山中にあった如意寺の本尊であったと伝わります。

霊鑑寺創建の際、後水尾上皇の “霊夢” により、本尊として如意寺の如意輪観音像を迎えるとともに、如意寺に伝わる霊鏡も移されました。

それが、霊鑑寺という寺名の由来です。

如意寺
平安時代に栄えた叡山三千坊のひとつで、伽藍が60余りある広大な敷地のお寺だったようです。霊鑑寺が創建された頃には、南北朝の戦乱により荒廃し断絶していました。現在は遺構のみ。

出典:京都風光

「鑑(かがみ)」と「鏡(かがみ)」という単語は、現在使い分けていますが、もともとの意味は同じだそうです。姿を写す道具であり、映った姿を見て自らを反省することから「手本」「模範」という意味も含まれています。

霊鑑寺 如意輪観音像
▲如意輪観音の足元にある鏡に注目!

・池泉鑑賞式庭園

東山連峰の大文字山より延びる稜線を意識して書院の南に作られています。

立石を使った石組みと般若寺型石灯籠が調和したスタイルに江戸時代中期の作庭の特徴が表れているそうです。

秋には、樹齢350年を超えるタカオカエデなどが、色鮮やかに美しく紅葉します。

霊鑑寺 庭園
▲庭園
霊鑑寺 裏庭
▲本堂奥の山中の寒椿

・華麗な寺宝

歴代天皇遺愛の香炉・掛け軸・置物などをはじめとして、尼宮たちの雅な暮らしを偲ばせる、絵札の日本画が美しいかるた、あどけない表情の御所人形の名品、菊紋入りの漆の食器など、皇室ゆかりの寺宝が多数残されています。

※特別公開のお宝は、すべて写真不可です。

ミィコ

お宝は、古いものなので多少くすんでいたりしますが、十分当時の華やかさを感じることができます。

【3】秋の特別公開2018

霊鑑寺の紅葉は、黄色から赤へのグラデーションがとってもキレイ!
紅葉の種類が違うようなので、毎年見ることができます。

・紅葉はグラデーション

2018年秋の特別公開は、2018年11月17日(土)から12月2日(日)まで。
写真は、11月17日の紅葉です。

霊鑑寺 紅葉
▲紅葉が見えます
霊鑑寺 紅葉
▲グラデーションの紅葉
霊鑑寺 紅葉

・御朱印

季節の限定御朱印も可愛くて素敵なので、御朱印を集めている方は要チェック。

2018年秋の特別公開の限定御朱印はグラデーションの紅葉をイメージしたデザイン。この御朱印は、書置きのみで、直接御朱印帳に書いていただけるのは、通常の御朱印(1P)になるそうです。

霊鑑寺 秋の特別公開2018 御朱印
ミィコ

特別拝観の御朱印は、ちょっと凝っていて魅力的ですね。料金は、拝観料600円+御朱印400円です^^

【4】霊鑑寺 アクセス

京都市バスが便利です。霊鑑寺は「錦林車庫前」下車 徒歩約5分です。

※市バスに1日4回以上乗車する場合は、1日乗車券/大人 700円、小児 350円 がお得です。道路交通事情を考慮して時間に余裕を持ちましょう。

・京都駅前バスターミナルから

★京都駅前バスターミナルのりば案内

  • 市バス
    [A1のりば] 市バス 5 河原町五条・平安神宮・銀閣寺・岩倉行「錦林車庫前」まで約40分
    [A2のりば] 市バス 17 四条河原町・銀閣寺行「錦林車庫前」まで約39分
    [D1のりば] 市バス 100 清水寺・平安神宮・南禅寺・銀閣寺行「錦林車庫前」まで約42分
  • TAXI 所要時間 約22分
    総距離 約6.9km タクシー料金検索
    ※料金・所要時間は実際とは異なる可能性があります。

・三条京阪から

  • 市バス
    [Dのりば] 市バス5 岩倉操車場前行、銀閣寺・岩倉行
    ※錦林車庫前まで約15分 
    ※Dのりば:京阪電車「9番出口」を出てすぐ。
  • TAXI 所要時間 約12分
    総距離 約3.7km タクシー料金検索
    ※料金・所要時間は実際とは異なる可能性があります。

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お寺の庭が華やかに彩られる春と秋の特別公開。通常は非公開なので、スケジュールを合わせてみてはいかがでしょうか?
哲学の道には、カフェやお店、名所旧跡が点在しています。銀閣寺へも15分~20分で徒歩圏内です

※この記事の史実に関する記載は、霊鑑寺パンフレット、駒札、コトバンク、京都風光サイト等を参考に作成しました。