京都ゑびす神社 | 商売繁盛、旅行安全!「日本三大えびす」

ゑびす神社

京都ゑびす神社は「京のえべっさん」の名で親しまれる「日本三大えびす」のひとつです。京都の花街の中にひっそりと鎮座し、商売繁盛、家運隆盛、旅行安全のご利益で信仰されています。

特に有名なのは、毎年1月10日に開催される、えびす神の祭「初ゑびす/十日ゑびす大祭」。この期間は参道に露店が立ち並び、舞妓さんによる福笹・福もちの授与も行なわれたりと、商売繁盛を願う多くの人々で賑わいます。

ちょっと変わったお参りのしかたや、アクセス方法をご紹介します。

基本情報

京都ゑびす神社 [正式名称] 恵美須神社
所在地 京都市東山区大和大路通四条下ル四丁目小松町125
TEL. 075-525-0005

境内自由 8:30~17:00
※祭典時は延長または夜通し開門
※ご朱印 9:00~16:30

京都ゑびす神社 公式サイト

【1】京都ゑびす神社とは?

京都ゑびす神社は「日本三大えびす」のひとつです。

日本の臨済宗の祖・栄西禅師が、建仁2年(1202年)に建仁寺を建立する際、恵美須神を勧請し、鎮守社として境内に創建。後の応仁の乱で荒廃した後、現在地(建仁寺の西隣)に再建されました。

京都ゑびす神社

建仁寺の鎮守社として創建

ゑびす神社の東側に境内が広がる建仁寺は、日本最初の禅寺を建立した栄西禅師が満を持して京都に建立した寺院で、京都五山の第3位に列せられています。

恵美須神と栄西禅師
栄西が建久2年(1191年)に南宋から帰国する際のこと。暴風で船が遭難しそうになった時、恵美須神が現れ、その加護によって難を逃れたと伝えられています。

ゑびす神社の歴史

  1. 建仁2年(1202年)日本の臨済宗の祖・栄西禅師が建仁寺を建立する際、恵美須神を勧請し、鎮守社として境内に創建しました。
  2. 応仁の乱(1467年~1478年)で荒廃し、現在地に再建。
  3. 明治元年(1868年)神仏分離令によって建仁寺と分けられました。

栄西(えいさい)[1141~1215年]
日本臨済宗の開祖。初め比叡山に登り天台の教学を修めたがあきたらず,仁安2 (1167) 年、中唐本『法華経』に接して入宋の決意を固め,翌年4月入宋。天台山,阿育王山を歴訪し,禅に対する理解と興味を示し,中国天台宗に関する注釈書などを持って帰朝。以後天台の復興に禅の必要性を痛感し,文治3 (87) 年再び入宋。天台山で臨済禅を学び建久2 (91) 年帰国。筑前誓願寺において布教活動を始め,正治1 (99) 年鎌倉に入り,のちに将軍頼家の帰依を受け寿福寺を創立,建仁2 (1202) 年京都建仁寺を造立し,以後京都,鎌倉の間を往復して禅の弘通に努めた。また茶の種子を宋から持帰り,日本に喫茶の習慣を広めた。著書に『興禅護国論』『一代経論釈』『喫茶養生記』などがある。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 より抄録

・都七福神めぐり

七福神巡りは室町時代に京都で発祥し、次第に各地へ広まりました。特に、お正月に七福神巡りをすると、大きな福がもたらされるといわれています。

都七福神(みやこしちふくじん)

「ゑびす神」商売繁盛/京都ゑびす神社
「大黒天」開運招福/松ヶ崎大黒天(妙円寺)
「毘沙門天」七福即生/東寺
「弁財天」福徳自在/六波羅蜜寺
「福禄寿神」延寿福楽/赤山禅院
「寿老神」不老長寿/革堂(行願寺)
「布袋尊」諸縁吉祥/萬福寺

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・財布 名刺塚、摂社

境内にはちょっと珍しい、古くなった財布や名刺の供養塚があります。商売繁盛を祈願すると共に、ビジネスの必需品たちに感謝ですね。

摂社は、菅原道真を祀る小松天満宮、平安時代の歌人・在原業平(ありわら の なりひら)を祀る岩本社、白太夫社(祭神:渡会春彦)、八幡神社、猿田彦神社があります。

▲財布塚・名刺塚
ゑびす神社
▲小松天満宮
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実は、建仁寺の鎮守社だった歴史は初めて知りました^^

【2】ゑびす神の御利益

ゑびす神は商売繁盛・家運隆盛の信仰を集める日本の神で、七福神の一柱でもあります。右手に釣り竿を持ち、左脇に鯛を抱える姿でおなじみですね。
さらには、栄西禅師の故事から「旅ゑびす」とも言われ、旅行安全の信仰も集めています。

・商売繁盛、旅行安全

  • 主祭神:八代言代主大神(やえことしろぬしのおおかみ)=えびす神
  • 大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)
  • 少彦名神(すかなひこなのかみ)

えびす信仰
えびす神は、漁師や農家あるいは商家などで、生業を守護し、福徳をもたらす福神として祀られる。祭神は、事代主命(ことしろぬしのみこと)あるいは蛭児命(ひるこのみこと)とする両説がある。また七福神の一つとして大黒天と並び祀られる。古くより「寄り神」として海浜に祀られ、漁師が大漁を祈っていたが、海産物の売買により市の神、商売繁栄の神として、広く商家にまで信仰されるようになった。

出典:小学館 日本大百科全書 より抄録
▲えびす様の石像

・日本三大えびす

  • 西宮神社(兵庫県):えびす神社の総本社
  • 今宮戎神社(大阪市)
  • 京都ゑびす神社(京都市)

笹のはじまりは京都ゑびす神社
十日ゑびすの象徴ともいえる、縁起物をつけた「商売繁盛の笹」は、京都ゑびす神社独自の「御札」の形が広まったものです。

笹は縁起物の松竹梅の竹の葉でもあり、「節目正しく真直に伸び」「弾力があり折れない」「葉が落ちず常に青々と繁る」特徴から家運隆昌、商売繁盛の象徴となりました。

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ゑびす神のお姿といえば、最初に思い浮かぶのが「ヱビスビール」のイラストですね。福々しい笑顔がチャーミングな神様です^^

【3】お参りのしかた

京都ゑびす神社の御祭神「ゑびす神」の参拝方法はちょっと変わっています^^

・1・拝殿

拝殿で参拝します。一見、普通の拝殿に見えますが、一番左の柱に、次は左側の奥に進むようにとの指示が貼ってあります。一番右の鈴で参拝したら見落とす可能性があるのでご注意。

京都ゑびす神社 本殿
▲本殿

・2・本殿の横

指示通り拝殿の左奥へ進むと、ゑびす様参拝専用の窓口があって、「優しくトントンと叩いてください」とのサインが。

実は、ゑびす様は高齢(長寿)で耳が遠くなっておられるため、拝殿の鈴の音では気が付かないこともあるので、本殿の横をノックして(肩をたたいて)念入りにお参りするんだそうです。

京都ゑびす神社 本殿横
▲本殿横の参拝窓
京都ゑびす神社 本殿横

・3・二の鳥居の福箕(ふくみ)

※参拝前から気になっていると思いますが、本殿に参拝してからチャレンジしましょう!

二の鳥居を見上げると、ゑびす様の顔と福箕があります。この福箕にお賽銭を投げ入れる事が出来れば願いが叶うと言われています。とはいえ、高い場所なので小さなコインを投げ入れるのは難易度高いですね。

ちなみに混雑する「十日ゑびす」の期間などは、布で覆われて投げることは出来ません。

京都ゑびす神社
▲二の鳥居の福箕
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神様でも高齢になると耳が遠くなるというのが、親しみがわきますね^^

【4】御朱印

鯛のハンコが可愛い、ゑびす神の御朱印。

・ゑびす神の御朱印

ゑびす神社 御朱印
▲ゑびす神 御朱印
ミィコ

大きな鯛を釣れるように、エールをいただいた気分になる御朱印です^^

【5】京都ゑびす神社 アクセス

京都ゑびす神社は、祇園界隈からだと徒歩約6分の距離にあります。市バスは、31・46・201・203・207系統などが停まります。

[地図]
B地点:京都ゑびす神社

A地点:京阪本線「祇園四条駅」、バス停「四条京阪前」
C地点:バス停「河原町松原」

・京阪本線「祇園四条駅」から

  • 徒歩約6分

・京都駅前バスターミナルから

ミィコ

建仁寺と一緒に訪ねるのもおすすめ。近くには名所旧跡が多いので、地図を見ながらプランを立てるのが効率良いです^^

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※この記事の史実に関する記載は、京都ゑびす神社公式サイト、駒札、Wikipedia・コトバンク等を参考に作成しました。