地主神社 | 縁結びの神様、地主桜で有名な神代創建の神社

地主神社

地主神社(じしゅじんじゃ)は、日本の建国以前の神代に創建されたと伝わる由緒ある神社。清水寺の境内にあり、清水寺と共に世界文化遺産に登録されています。

縁結びの神様として有名な大国主命が主祭神で、それぼど広くない境内には縁結びにまつわる社や祈願所が集まっています。さながら縁結びのテーマパークという雰囲気^^

素敵なご縁は恋愛だけに限りません。若い女性やカップルはもとより、国内外の老若男女で混雑しています。

参拝所要時間は20分くらい。じっくり末社も参拝する場合は1時間弱くらい。
アクセス方法や気になるご利益をご紹介します。

地主神社は社殿修復工事のため、2022年8月19日より約3年間閉門されます。 郵送受付による「特別祈願」は毎日行われていますので、詳細は公式サイトをチェック!

基本情報

地主神社(じしゅじんじゃ)
所在地 京都市東山区清水1丁目317(清水寺の境内)
TEL. 075-541-2097

地主神社 公式サイト

【1】地主神社とは

地主神社は日本建国以前から、清水八坂地域一帯で信仰されていた産土神(うぶすながみ)で、日本最古に属する地主神(じぬしじん)です。

・地主神社のはじまり

平安遷都と共に皇室をはじめ広く信仰を集め、中世には後に創建された清水寺の鎮守社となり、神仏習合の流れで地主権現(じしゅごんげん)と呼ばれました。
※権現とは、仏や菩薩が姿を変えて日本の神として現れること。

地主神社
▲地主神社

・地主神社の歩み

  • 創建は神代(かみよ/日本建国より前)。
    古来この地は「蓬莱山(宝来山)」と呼ばれ、 不老長寿の霊山として信仰を集めてきたと伝わります。
  • 奈良時代 大宝元年(701年)地主神社の本殿が建造されます。
  • 平安時代 延暦16年(797年)坂上田村麻呂が征夷大将軍に任命された際に、地主神社に太刀一振りを奉納。[延暦17年(798年)清水寺創建]
    弘仁2年(811年)嵯峨天皇行幸、天禄元年(970年)円融天皇行幸。永保2年(1082年)白河天皇行幸。謡曲「田村」「熊野」、文学「梁塵秘抄」「閑吟集」などにも登場し「地主権現」の名は全国に知れわたりました。
  • 戦国~江戸時代は「恋占いの石」に興じる老若男女で一賑わい、祈り杉での「丑の刻参り」が大流行しました。
  • 寛永10年(1633年)江戸幕府 第3代将軍 徳川家光が社殿を再建。
  • 明治時代、神仏分離政策により清水寺から分離独立。名称も「地主権現社」から「地主神社」へと改称。
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狭い境内は人がいっぱいで、神代の創建を感じさせるような古い雰囲気はありません^^

【2】地主桜(御車返しの桜)

地主桜(じしゅざくら)は、八重と一重の花が同時に咲く珍しい桜で、古来より名桜と謳われてきました。

弘仁2年(811年)嵯峨天皇が行幸された際、地主神社の桜の美しさに3度車を返したことから「御車返し(みぐるまかえし)の桜」とも呼ばれました。

当時の貴族社会で花見と言えば「梅」が一般的でしたが、弘仁3年に嵯峨天皇が開いた桜の花宴が日本初の桜の花見の公式記録になります。(日本後紀)

地主桜の美しさは、謡曲『田村』(清水寺創建の縁起と坂上田村麻呂の蝦夷征伐を描いた作品)で「地主権現の花盛り、それ花の名所多しと言えども、この寺の地主の桜にしくはなし」と歌われたほか、『熊野 (能)』『梁塵秘抄』『閑吟集』などでも称賛されました。

地主桜
▲地主桜 京都フリー写真素材
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現在の地主桜は何代目かはわかりませんが、庭師・佐野藤右衛門(さの とうえもん)の献木だそうです。

【3】地主神社 ご利益

地主神社の本殿にお祀りされている主祭神は、縁結びの神さまとして有名な「大国主命(オオクニヌシノミコト)。

さらに、その父母神、素戔嗚命(スサノオノミコト)&奇稲田姫命(クシナダヒメノミコト)、さらに奇稲田姫命の父母神、足摩乳命(アシナズチノミコト)&手摩乳命(テナズチノミコト)も正殿に祭祀され、三代続きの神々をお祀りしていることから、子授け安産の信仰も集めています。

・大国主命:縁結びの神様 [本殿・拝殿]

本殿と拝殿は、寛永10年(1633年)徳川家光による再建で、本殿は極彩色の華麗優美な建築。拝殿の天井には狩野元信の筆による「丸竜」が描かれています。

地主神社 大国主命
▲大国主命の像
地主神社 本殿
▲本殿

・恋占いの石 [本殿前]

恋占いの石は、本殿前に10mほどの間隔を空けて置かれた2個の神石の事です。片方の石からもう一つの石へ目を閉じて歩き、無事に到着すれば恋の願いがかなうと伝わります。

江戸時代から有名なスポットで、文献に「老若男女、終日嬉嬉としてたわむる」の記述が残っています。

東西方向に置かれているので、春分・秋分の日には、2石の直線状に太陽が昇り沈みます。最近の研究では、縄文時代の祭祀遺物とされています。

恋占いの石

・祓戸大神:厄除け開運 [末社]

本殿前にある祓戸社(はらえどしゃ)では、知らず知らずのうちに身体にまとった「穢れ(けがれ)」を自分自身で祓串(はらえぐし)を振って清め、開運を祈願します。

また、人形祓い(ひとがたばらい)と呼ばれる身代わりの紙の人形を使ったお祓いもあります。(初穂料200円)

祓戸社
人形祓い

・大田大神:長寿と芸事上達 [末社]

大田神社のお社の前には「撫で大国(なでたいこく)様」が安置されています。大国様とは、大国主命と同一視されているインド出身の神様。
撫で大国様の身体を撫でると、手が触れた箇所に応じてそれぞれのご利益がいただけると伝えられています。

・おかげ明神、いのり杉:心願成就 [末社]

おかげ明神は、ひとつだけなら必ず願いをかなえてくれる神様。「おかげ」とはご利益のことで、特に女性の守り神として厚く信仰されてきました。

おかげ明神の後方に立つご神木「いのり杉」は別名「のろい杉」ともいわれ、江戸時代に女性の間で広まった「丑の刻参り(うしのときまいり)」で有名です。

丑の刻に藁人形を五寸釘でご神木に打ちつけ、相手を呪うというちょっと怖いお参りですが、そもそもは「のろい」ではなく、丑年丑月丑日丑刻に神社の祭神が降臨される際に心願成就に詣でたのが始まりといわれています。

今もいのり杉には釘の跡が生々しく残っています。

・栗光稲荷 [末社]、その他祈願所

栗光稲荷:商売繁盛・家内安全・開運招福

栗光稲荷(くりみついなり)は商売繁盛・家内安全・開運招福の守り神として信仰されています。

水かけ地蔵:お祓いと祈願

近年になって地主神社境内の地中から発見された小さなお地蔵様です。水には古来、けがれを洗い流す力があると信じられてきました。水かけ地蔵様は、私たちのかわりに水を受けることで私たちの心をきよめ、ご利益を授けてくださいます。

幸福祈願所:良縁祈願

銅鑼(ドラ)を三度鳴らしながら良縁を祈願します。
銅鑼の音色は邪霊を祓い周囲を浄化してくれるといわれています。そして、三度鳴らすのは三という数が万物の繁栄を約束する数とされているからです。

良縁大国:縁結び祈願(契り糸)

契り糸は「良縁大国」様に結びつけて、縁結びを祈願するものです。

地主神社
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主祭神の大国主命はモテモテの神様で、色々な女神との間に『古事記』では180柱、『日本書紀』では181柱の子供をもうけました。縁結びと子授けをはじめ、金運・商売繁盛、病気平癒などのご利益でも有名です^^

【4】御朱印はありません

御朱印は拝受できません。
地主神社の公式サイトの「よくあるご質問|一般的なご質問」に明記されています。

Q7 御朱印はありますか?
地主神社では御朱印はおこなっておりません。

出典:地主神社 公式サイト、よくあるご質問
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以前は拝受できたので、地主神社の御朱印をお持ちの方は貴重ですね^^

【5】最寄り駅→ 地主神社 アクセス

地主神社は清水寺の境内にあります。参道には、お土産屋さんやカフェが賑やかに軒を連ねています。下記の所要時間は、寄り道なしで清水寺と地主神社へ向かった場合の所要時間です。

最寄り駅

  • 電車
    京阪本線「清水五条駅」下車 徒歩約18分
    京阪本線「祇園四条駅」下車 徒歩約23分
    阪急京都線「京都河原町駅」下車 徒歩約25分
  • 京都市バス
    「清水道」バス停 下車 徒歩約10分
    「五条坂」バス停 下車 徒歩約10分

京の風情満喫コース

京阪本線「祇園四条駅」→ 八坂神社→ 石塀小路→ ねねの道→ 一年坂→ 二寧坂→ 産寧坂→ 松原通り→ 清水寺(水色ライン/上)

京都らしい風情ある町並みを楽しめるコースです。途中、建仁寺や高台寺などの寺院を訪ねるのもあり。

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夢見坂コース

バス停「清水道」→ 八坂通り(夢見坂)→ 松原通り→ 清水寺(紺色ライン/中)

八坂通りは別名夢見坂と呼ばれます。八坂の塔と町並みがインスタ映え間違いなしのコース。途中、八坂庚申堂や八坂の塔(法観寺)もあります。

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清水焼コース

京阪本線「清水五条駅」→ 五条通→ 五条坂→ 松原通り → 清水寺(朱色ライン/下)

ちょっと地味目のコースですが、清水焼に興味がある方におすすめ。陶磁器を扱うお店がたくさんあります。ちょっと寄り道して、河井寛次郎記念館で休憩もいい感じです。

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昔は松原橋(昔はここが五条橋)を渡って、六波羅蜜寺・六道珍皇寺を参詣しつつ、清水寺へ参拝するのが本来のコースだったそうです。

【6】京都駅→ 地主神社 アクセス

観光シーズンの週末は、バス停は行列でなかなか乗れないかもしれません。その場合は、地下鉄と阪急で京都河原町まで行って散策しながら清水寺と地主神社へ向かうのもおすすめです。

・市バス→ 清水道バス停

★京都駅前バスターミナルのりば案内

  • [D1のりば] 市バス 100、110
    清水寺・平安神宮・南禅寺・銀閣寺行き「清水道」まで約14分。
  • [D2のりば] 市バス 206、 86
    博物館三十三間堂・清水寺・祇園行き「清水道」まで約16分。

・京都ステーションループバス→ 京阪本線

京阪電車への乗り継ぎに便利!
京阪七条-京都ステーションループバス
京都駅中央口から徒歩約2分。東に位置するホテル「ザ・サウザンド キョウト」前から乗車、京阪七条で京阪電車に乗り継ぎ。京阪電車ご利用の方は、片道100円で利用できます。事前に乗継割引券を忘れずにもらいましょう。

(1) 京阪七条-京都ステーションループバス 京阪七条まで約5分
→ [京阪七条駅 京阪電車に乗え]→
(2) 京阪本線 出町柳行「清水五条駅」まで約1分。「祇園四条駅」まで約3分

京阪七条-京都ステーションループバス
【のりば】
・京都駅(ザ・サウザンド キョウト前)
・七条京阪前(京阪電車 七条駅1番出口すぐ)

【運行時間】
・京都駅発|7:00~21:00(15分間隔)
・七条京阪発|7:04〜21:19(15分間隔)

【運賃】
・230円(片道)

※「京阪電車」「ザ・サウザンド キョウト」「京都センチュリーホテル」をご利用のお客さまは、100円(片道)でご利用いただけます。
※「乗継割引券」は、京阪電車七条駅改札内およびザ・サウザンド キョウト、京都センチュリーホテルでお渡しいたします。
※バスの降車時に「乗継割引券」と「100円(現金のみ)」をお支払いください。

出典:京阪電車公式サイト

・TAXI→ 清水道

  • 京都駅前→ 清水道まで
    所要時間 約9分
    ・総距離 約2.9km タクシー料金検索
    ※料金・所要時間は実際とは異なる可能性があります。

・地下鉄→ 阪急京都線→ 京都河原町駅

  • 京都地下鉄烏丸線(国際会館行)→「四条烏丸駅 [乗り換え] 」→ 阪急京都線(京都河原町行)→「京都河原町駅」下車 ※所要時間:約10~14分

・JR奈良線→ 京阪本線→ 清水五条・祇園四条駅

  • JR奈良線→ 「東福寺駅 [乗り換え]」→ 京阪本線(出町柳行)→ 「清水五条駅」下車 ※所要時間:約11~17分。「祇園四条駅」までは約13~19分。
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京都駅からはちょっと行きにくいかも。最寄り駅からのルートにある観光スポットも事前に調べると効率よく観光できます^^

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※この記事の史実に関する記載は、地主神社公式サイト、駒札、京都の寺社505を歩く、Wikipedia等を参考に作成しました。