二条城 | 京都駅からのアクセスと、歴史・見どころ

二条城

二条城と言えば、慶応3年(1867年)、江戸幕府15代将軍・徳川慶喜が日本史上重要な政策「大政奉還」を表明した場所として知られています。

見どころは、二の丸御殿など徳川幕府の権威を今に伝える史跡です。後に皇室の離宮となったため、追加された装飾などに雅な皇室文化も感じられます。現在の正式名称は元離宮二条城(もとりきゅうにじょうじょう)です。

二条城の見どころと、城内のカフェ、アクセス方法をご紹介します。

基本情報

元離宮二条城
所在地 京都市中京区二条通堀川西入二条城町541番地
TEL.075-841-0096
元離宮二条城 公式サイト

営業時間
・開城時間/8:45~16:00 ※閉城 17:00
・二の丸御殿観覧受付/8:45~16:10
・休城日/12月29日~31日
・二の丸御殿観覧休止日/1月1日~3日、12月26日~28日
 12月、1月、7月、8月の毎週火曜日
 ※休日の場合は観覧可能、翌日観覧休止。

・入城料/二の丸御殿観覧料
 一般1,300円/中高生400円/小学生300円
 ※入城料のみ 一般800円
・展示収蔵館観覧料 100円

3カ月有効の前売りWEBチケットもあります。

【1】二条城の歴史

二条城は、徳川家の興隆・栄華・衰退の分岐点において、重要な舞台として使われた城です。

江戸幕府初代将軍 徳川家康の将軍宣下(しょうぐんせんげ/天皇が征夷大将軍職を任ずる儀式)に伴う賀儀や、盛大な後水尾天皇の行幸、15代将軍 徳川慶喜の大政奉還が行われました。

二条城 看板
▲ 「洛中洛外図」部分、東大手門前の看板より

・1603年 徳川家康 二条城を築城

慶長6年(1601年)関ヶ原の戦いで勝利した徳川家康は、上洛時の宿所として築城を決定。慶長8年(1603年)に完成した二条城に初入場しました。

・1626年 徳川家光 城を大規模拡張

元和6年(1620年)2代将軍 秀忠の娘(3代将軍 家光の妹)和子が二条城から入内。後水尾天皇の中宮となります。

そして、3代将軍 家光は寛永3年(1626年)の後水尾天皇の行幸(5日間)のために、寛永元年(1624年)より城の拡張、殿舎の整備を始め、本丸・二の丸・天守閣を完成させます。

壮麗な城に天皇を迎えることで、江戸幕府の政治が盤石であることを世に知らしめました。

・1634年 以降230年間 将軍不在で荒廃

寛永11年(1634年)秀忠の死後、家光が30万の大軍を率いて入城したのを最後に将軍を迎えることは途絶え、その後230年間、二条城は歴史の表舞台から姿を消します。その間、火災や地震に見舞われ天守閣・本丸が焼失、庭園も荒れ果てます。

文久3年(1863年)、230年ぶりの14代将軍徳川家茂の上洛にそなえ、二の丸御殿が全面修復され、本丸に仮御殿が建てられました。

・1867年 徳川慶喜 大政奉還を決意

慶応2年(1866年)12月、二条城において徳川慶喜が15代将軍拝命の宣旨を受けます。
慶応3年(1867年)10月、二の丸御殿大広間で40藩の重臣に意見を聞き「大政奉還」を決意。翌日、朝廷に政権を返上することを申し立て徳川幕府の幕は降ろされました。

・その後

明治元年(1868年)現在の内閣にあたる、太政官代が置かれる。
明治4年(1871年)二の丸御殿内に府庁を置く。後に一時 陸軍省。
明治17年(1884年)皇室の別邸「二条離宮」となる。
昭和14年(1939年)京都市に下賜。翌年から一般公開。

ミィコ

徳川家と言えば江戸のイメージですが、徳川幕府の始まりと終わりの重要な舞台として使われたのは二条城なんですね。

【2】二条城 見どころ

城内全域が世界文化遺産。
近年修復された絢爛豪華な唐門など、見どころいっぱい。見学には2時間くらいかかります。

・東南隅櫓

地下鉄「二条城前駅」を出ると、まず最初に真白の小さいお城が視界に入ります。でもこれはお城ではなくて、櫓(やぐら)/見張り台なんです。

攻撃と防御の要で、石落とし(いしおとし/防御用開口部)を備え、2階には鉄砲を収納していました。9棟あった櫓のうち現存するのは、東南隅櫓と西南隅櫓の2棟だけです。

二条城 東南隅櫓
▲ 東南隅櫓(とうなんすみやぐら)

・東大手門

二条城の正門。正門にふさわしい堂々としたただずまいです。
形式は、石垣と石垣の間の渡櫓(わたりやぐら)の下を門とした、櫓門(やぐらもん)で、本瓦の屋根には鯱(しゃち)が飾られています。

二条城 東大手門
▲ 二条城 正門
二条城 東大手門

・番所

平時の二条城は、「二条在番」と呼ばれる幕府から派遣された武士たち(1組50人の在番2組)が宿直・警護し、番所(ばんしょ)は彼らの詰め所の一つでした。9棟あった番所のうち唯一残っている貴重な建物です。現在の建物は、寛文3年(1663年)建設。

二条城 番所
▲東大手門裏の番所

・唐門/築地

寛永3年(1626年)の後水尾天皇の行幸を迎えるために建てられた唐門です。唐門とは、屋根の優美な曲線の「唐破風(からはふ)」が特徴のスタイルで、御所や内裏では御幸門と呼ばれる最も格式が高い門です。

随所に、鶴亀・松竹梅・蝶に牡丹などの吉祥の象徴、龍に虎・唐獅子などの霊獣などのモチーフが彫刻され、貴賓を迎える門にふさわしい華麗なデザインです。2013年に修復が完了し当時の輝きを取り戻しています。

二条城 唐門
▲ 唐門/築地(からもん/ついじ)
二条城 唐門
▲ 唐破風と豪華な装飾
二条城 唐門

・二の丸御殿

二の丸御殿(国宝)は、江戸時代の代表的な武家風書院造り。全6棟で構成されています。訪問者を迎える部屋、遠侍(とおざむらい)から、公式な対面所の大広間、将軍がくつろぐ白書院へと、各棟・各部屋は機能に合わせて規模としつらえが異なります。「鶯張り(うぐいすばり)の廊下」も体験できます。

特に大広間は将軍の権威を最大限に表現するために、多彩な障壁画・欄間彫刻・飾金具によって豪華絢爛に装飾され、一の間(上段の間)、二の間(下段に間)と段差が付けられ、一の間の天井はより高くデザインされるなど(二重折上格天井)特別感が演出されています。

障壁画は3600面(現存2000面~/1016面は重要文化財)は、狩野探幽(かのうたんゆう)率いる絵師集団、狩野派一門が総力をあげて制作したものです。部屋の使用目的に合わせて障壁画のモチーフが巧みに使い分けられています。

二条城 二の丸御殿
▲ 二の丸御殿 車寄せ
二条城二の丸御殿
▲二の丸御殿の装飾
二の丸御殿 大広間
明治神宮聖徳記念絵画館
▲二の丸御殿 大広間
明治神宮聖徳記念絵画館, パブリック・ドメイン, Link

※二の丸御殿内部は写真撮影禁止です。

・二の丸庭園

池の中央に蓬莱島、左右に鶴亀の島を配し、神仙蓬莱の世界を表現した書院造庭園です。

二条城が造営された時に作庭され、寛永3年(1626年)御水尾天皇行幸のために、作事奉行・小堀遠州のもとで改修されたと考えられています。天守閣を借景に、二の丸御殿の大広間・黒書院・行幸御殿からの三方向からも鑑賞できるように設計されていました。

時代は下り、15代将軍 慶喜の上洛時は樹木や池は枯れて荒廃。その後、宮内省の所管になってから幾度か改修が行なわれ今日の景観が完成しました。特別名勝に指定されています。

二条城 二の丸庭園
▲二の丸庭園
二条城 二の丸庭園

・本丸御殿(2023年度まで修復工事中)

現在、二条城本格修理事業の第二期。本丸御殿と庭園は絶賛修理中で工事用の壁に囲まれていました。2023年(令和5年度)に保存修理工事が完了したら、一階部分は通年で一般公開されるそうです。また、二条城全体としては第4期まで予定されていて2034年完成予定とのこと。

二条城本丸の石垣
▲城壁の向こうに本丸御殿があります
二条城修理事業サイン
▲工事用壁の説明(部分)

・天守閣跡

築城当初の天守閣は現在の清流園の位置にありましたが、二条城拡張の際に淀城に移築。

そして、この場所には新たに伏見城から5重の天守閣(地上5階、地下1階)が移築されました。後水尾天皇は行幸の際に2回天守閣に登られ、ここが天皇が登った唯一の天守閣と言われています。

その後、寛延7年(1750年)天守閣は落雷より焼失、石垣だけが残されました。

二条城天守台
▲残された石垣

・清流園

現在の庭園は昭和40年(1965年)に完成。芝生を敷きつめた洋風庭園と、2棟の建物を含めた池泉回遊式の和風庭園からなる和洋折衷の庭園です。

江戸時代初期の京都の豪商 角倉了以(すみのくら りょうい)の屋敷の一部や庭石約800個を譲り受け、さらに全国から銘石300個が集められて作庭されました。茶室「和楽庵」から、和風庭園や旧角倉了以の屋敷から移築した「香雲亭」を鑑賞することができます。

通常非公開ですが、休憩処 茶房前田のある、茶室「和楽庵」や、城内園路から眺めることができます。

二条城 香雲亭
▲城内園路から見える清流園の香雲亭

・北中仕切門

内堀の南側の南中仕切門と対になっている「埋門(うずみもん)」です。本丸西櫓門への通路を防ぐ、防御上重要な役割を果たしていました。

二条城 仕切り門
▲北中仕切門(重要文化財)
ミィコ

はやり、近年修復されて絢爛豪華な装飾が蘇った唐門が印象的です!

【3】二条城内のカフェで休憩

二条城内を歩き疲れた頃に、いいタイミングで現れる甘味処。
しっとりした和の風情を楽しみたいなら茶坊前田。大休憩所は売店やカフェが並ぶ、カジュアルなサービスエリアという雰囲気です。

・和楽庵 茶房前田

二条城内にある茶室「和楽庵」にあります。
和楽庵の前には「清流園」という和洋折衷の庭園が広がります。京都の穴場カフェです。和室でお庭を見ながらゆっくり休憩したい方は、迷わずこちらへ。

茶房前田 公式サイト
・営業時間/9:30~16:30(LO 16:00)

二条城 前田
▲ 看板
茶房前田
▲茶房前田

・大休憩所|二条城売店 & 茶乃逢

順路でいえば、二条城見学の最後のスポットになります。大休憩所は席数も多くカジュアルな雰囲気。Green Cafe Style 茶乃逢(さのあ)と、お土産屋さんが入っています。

売店では、二条城・伝統の逸品、二条城限定の御朱印帳、お菓子などのお土産を販売。そして、二条城には御朱印はないですが、似た雰囲気の「入城記念符」があります。

二条城 大休憩所
・営業時間/8:45~16:45

二条城休憩所
▲二条城大休憩所

茶乃逢で濃厚抹茶ソフト「二条」をいただきました^^ 散らした金箔がゴージャスな一品で、濃厚抹茶ソフトは甘さ控えめ。生麩・栗の甘露煮・丹波の黒豆・わらび餅・八つ橋・茶団子などなど、京都の名物が色々入っていてボリュームたっぷりでした。

二条城パフェ
▲濃厚抹茶ソフト「二条」
ミィコ

二条城内は広いので、休憩スポットがあるのは嬉しいです^^

【4】二条城へのアクセス

アクセスは良好です。京都駅から、市バスや地下鉄で約10分~20分です。

最寄り駅

  • 地下鉄東西線「二条城前駅」
  • 市バス「二条城前」

・京都駅(京都市営地下鉄)から

※所要時間 約10~14分
地下鉄 国際会館行に乗車。「烏丸御池駅」で乗換 → 地下鉄東西線 太秦天神川行「二条城前駅」下車 ※1番出口が最寄りです。

・京都駅前バスターミナルから

※所要時間 約16~19分
京都駅前バスターミナルのりば案内

[B1のりば] 市バス9 二条城、西賀茂車庫行き →「二条城前」下車
[B2のりば] 市バス50 二条城、北野天満宮 立命館大学行き →「二条城前」下車
[B2のりば] 市バス101 二条城、北野天満宮・金閣寺行き →「二条城前」下車

※JR山陰本線/JR嵯峨野線の「二条駅」経由でも行けますが利便性で地下鉄がおすすめ。

・三条京阪から

※所要時間 約6分
地下鉄東西線 太秦天神川行 に乗車。「二条城前駅」下車 ※1番出口が最寄りです。

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ミィコ

現在、大規模改修事業が行われていて、当分の間は全貌を見学することが出来ませんが、十分、徳川家の栄華を偲べます^^

※この記事の史実に関する記載は、元離宮二条城公式サイト・パンフレット、駒札等を参考に作成しました。