修学院離宮(しゅうがくいんりきゅう)は、後水尾(ごみずのお)上皇の構想のもとに造営された山荘で、王朝文化の美意識の到達点と言われています。
自然の風景、山々や田園風景を取り込んだ壮大なスケールと眺望が素晴らしく、桂離宮とともに江戸時代初期を代表する山荘としてならび称されています。
一度は行ってみたい離宮ですが、基本的には事前予約制なので、ふらっと訪ねてもすぐに参観することはできません。
しかし、当日枠を狙えば当日参観は可能です。この記事では、当日受付のコツとアクセス方法、修学院離宮の庭園を紅葉の写真を中心にご紹介します。
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【1】修学院離宮 当日受付枠があります!
修学院離宮の参観は、3カ月前からインターネット事前予約申し込みが可能ですが、世界中から申し込みがあるので、なかなか希望日を取ることは難しいそうです。
そこでお勧めなのが当日受付。先着順の受付なので、時間に余裕をもって早めに現地へ行けば当日参観の整理券を手に入れることが可能です。
・参観できる日時は?
下記の休止日以外は参観可能です。
参観の休止日
(1) 月曜日(月曜日が休日の場合は、翌火曜日が休止日)
(2) 年末年始(12月28日~翌年1月4日)
(3) 行事等の実施のため支障のある日
※(1)(2)は、宮内庁京都事務所参観窓口の受付も休止です。
※カレンダーが公開されています。
修学院離宮の参観について
・申し込み方法(予約・当日)
資格は、18歳以上。一緒に申し込める人数は4名まで。代理人による申込みはできません。
(1) 予約・事前申込み
・往復はがき/3カ月前から先着順で受付。定員オーバーの場合は抽選。
・インターネット/3カ月前から受付。宮内庁参観案内 オンライン申し込み
・宮内庁京都事務所参観窓口(8:40~17:00)/本人確認書類・返信用ハガキ持参。
(2) 当日申込み
・13:30からのコースと、15:00からのコースに参加可能
・当日受付枠 各35名
当日受付は、現地にて11:00より先着順で整理券が配布されます。満員となり次第、受付終了。
受付の際には、本人確認書類(運転免許証等)が必要です。
11月の紅葉の季節は特に混むそうです。2018年11月17日は、10:30に到着するとすでに行列が出来ていて、整理券の番号は、15:00/19番でした。11時前には予定の整理券は終了しました。
【2】見学はツアー形式(無料)
素晴らしい庭園をガイド付きで80分も案内していただけて、その上無料。宮内庁のイメージ大幅UPです^^
・1回50名の参観ツアー
参観ツアーは1日5回開催されています。
※当日受付は、13:30、15:00のコースのみ。
- 参観ツアー開始時間 9:00、10:00、11:00、13:30、15:00
- 定員 各回50名
- 参観ツアー所要時間 約80分
先頭のガイドさんの話を聞きながら皆で歩いていきます。見どころポイントでは、立ち止まって説明に耳を傾けます。下離宮、中離宮、上離宮は離れているので結構歩きますが、松並木の道が清々しいです。
全体イメージとしては、羊飼い2人と羊たちみたいな感じ^^ 参観者が集団から外れないように、さりげなく監視されています。
写真を撮っていると結構あわただしく集団から遅れがちになります。そんな時は、最後尾の担当者さんから催促されます^^ スミマセン。
・参観の際の注意点
・時間厳守!ツアー開始時刻を過ぎると参加できませんので要注意。
・ツアー開始時間の20分前から参観受付。参観者休憩所で待機。
・参観者休憩所に、トイレ、売店、ロッカー(無料、100円玉が必要)あり。
・コースは砂利道や石段です。歩きやすい靴、スニーカーがお薦め。
・写真撮影はOK。足元に気を付けてくださいね。
・集団から遅れすぎないように気を付けましょう。
【3】修学院離宮 見どころ
修学院離宮は、江戸時代に後水尾上皇が満を持して造営した別荘。自然の風景、山々や田園風景を借景にした美しい眺望に注目です。
※離宮:皇居以外に設けられた天皇・上皇の別邸。
・王朝文化の美意識の集大成
1655年(明暦元年)から1659年(万治2年)にかけて江戸幕府によって造営されました。当時は上離宮と下離宮の構成だったそうです。
美しい借景を最大限に生かし、谷川をせき止めた人工池を中心とした広大な庭園とお茶屋。王朝文化の美意識の到達点を示す庭園と言われています。
後水尾天皇(ごみずのお てんのう)
文禄5年(1596年)生~延宝8年(1680年)没
第108代天皇 在位:慶長16年(1611年)~寛永6年(1629年)学問・詩歌・茶道・華道などに通じ、当時の文化の中心でもありました。
中宮は徳川和子(東福門院)。江戸幕府が朝廷を圧迫する政策に反発し、譲位して4代の天皇の間、院政を行いました。・勅撰和歌集「類題和歌集」の編纂を命じる。
・『伊勢物語御抄』の著作がある。
・池坊専好に指導を受けたといわれ、宮中立花会を催し「立花」の普及に一役を担う。
・女性関係は派手で、中宮以外の女性との間にも30余人の子あり。
現在の修学院離宮
中離宮は、明治18年(1885年)に離宮に編入されました。かつては後水尾上皇の皇女ゆかりの山荘でした。松並木は編入の際に一緒に整備されたものです。
上・中・下の離宮の間に広がる水田畑地は、昭和39年(1964年)に宮内庁が買い上げ、地元農家の協力を得て景観保持に万全を期しているそうです。敷地は山林や水田も含めて54万5千平方メートルに及びます。
・修学院離宮の見どころ
広大な敷地の田畑や山々を贅沢に借景として取り入れた庭園が大変美しいです。
特に上離宮の浴龍池を中心にした回遊式庭園は、池に木々や空が写り込み、素晴らしい風景が広がります。残念ながら写真のフレームに収まりきれません!
当時、浴龍池では舟遊びが催され、島々を廻りながら、管弦や詩歌の会を楽しまれたそうです。なんて優雅なことでしょう。
紅葉の写真をメインにご紹介します。
上離宮の庭園は本当に贅沢な空間。もっとゆっくりしたかったです。80分のツアーはあっという間でした。
【4】修学院離宮 アクセス
【最寄り駅】
・市バス「修学院道」から 徒歩約16分
・叡山電鉄「修学院駅」から 徒歩約20分
※市バスに1日4回以上乗車する場合は、1日乗車券/大人 700円、小児 350円 がお得です。道路交通事情を考慮して時間に余裕を持ちましょう。
・京都駅から
- 【地下鉄と市バス】※所要時間約1時間5分
・地下鉄烏丸線 国際会館行「国際会館駅前」まで約20分→(乗換え)→
市バス5 京都駅前行「修学院道」まで約8分→ 下車後 徒歩約20分
※JR奈良線→ 京阪電車→ 叡山電車で行く方法もありますが、乗換えが多く所要時間も大幅に短縮されることはないので、今回はお薦めしません。電車好きの人にはアリかも? - 【市バス】※所要時間 約1時間5分~8分
★京都駅前バスターミナルのりば案内
・[A1のりば] 市バス5 岩倉操車場前行き「修学院道」まで約52分→ 下車 徒歩約16分
・[C3のりば] 京都バス17 大原行き「修学院駅前」まで約45分→ 下車 徒歩約20分 - 【TAXI】※所要時間 約29分
・総距離 約9.5km タクシー料金検索
※料金・所要時間は実際とは異なる可能性があります。 - 【地下鉄とTAXI】※所要時間28分
・地下鉄烏丸線 国際会館行「松ヶ崎駅」まで約17分→ 下車後 タクシー約6分
・総距離 約2.4km タクシー料金検索
※料金・所要時間は実際とは異なる可能性があります。
・三条京阪から
- 【市バス】※所要時間 約43分
・[Dのりば] 市バス5 岩倉操車場前行き「修学院道」まで約27分→ 下車 徒歩約16分 - 【TAXI】※所要時間 約21分
・総距離 約7.3km タクシー料金検索
※料金・所要時間は実際とは異なる可能性があります。
【5】まとめ|当日受付のコツ
【こんな方におすすめ】
・お天気など、その日の都合で決めたい方。
・参観当日、時間に余裕がある方。できれば丸1日。
・臨機応変にスケジュールをアレンジするのが苦にならない方。
【当日参観のコツ】
・現地に出来るだけ早い時間に行って整理券をゲットする事のみ! 整理券配布がはじまるまで並びます。ベンチも用意されています。
【プランニングのコツ】
当日受付の後、すぐに参観できるわけではありません!
- 旅行プランは、余裕をもって一日見ておくのが安心。
・11:00受付→13:30から14:50まで参観
・11:00受付→15:00から16:20まで参観
最短でも上記のようなスケジュールになり、ツアー開始時間まで2時間半~4時間あります。 - 臨機応変にスケジュールをアレンジしましょう。
参観ツアー集合まで時間が空くので、近くの名所をチェックしておきましょう。一番近いのは赤山禅院で徒歩約6分、曼殊院までは徒歩約15分です。
15:00~のツアーの場合、5番の市バスで移動、哲学の道を散策&ゆっくりランチを楽しんでから戻ってくることも可能です。 紅葉シーズン(11月中旬から12月初旬頃)は、11:00前には当日受付の整理券が終了するようです。出来るだけ早めに現地に行きましょう。朝、7~8時から並ばれる方もおられるそうです。
ただし、オフシーズンは11:00に着いて13:30のコースに参加できることもあるそうですよ。
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桂離宮 | 当日参観できます!一度は訪れたい日本庭園の最高峰
是非一度、国のお宝でもある素晴らしい庭園をご堪能ください^^ ちなみに、桂離宮は、2018年11月から有料(1,000円)になりました。修学院離宮もいずれ有料になるかもしれませんね。
※この記事の史実に関する記載は、修学院離宮パンフレット、京都の寺社505を歩く、Wikipedia等を参考に作成しました。
修学院離宮
所在地 京都市左京区修学院藪添
TEL.075-211-1215
宮内庁 修学院離宮 公式サイト