豊国廟(とよくにびょう/ほうこくびょう)は、天下人・豊臣秀吉のお墓。
京都東山三十六峰の一つ、阿弥陀ヶ峰(あみだがみね)の489段の石段を登り切った頂上にあります。
参拝は天気のいい日がおすすめ。ぜひ山頂からの眺望も堪能しましょう!なんと、清水寺が見渡せるんですよ^^
登拝所要時間は往復約30分~45分くらい。歴史や見どころ、登拝御朱印、アクセス方法をご紹介します。
【1】豊国廟とは
慶長3年(1598年)豊臣秀吉は伏見城で62年の生涯を閉じました。
遺言により京都東山の阿弥陀ヶ峰山頂に埋葬され、麓の太閤坦(たいこうだいら)には日本の霊廟建築の起源とされる、豪華絢爛な豊国社(とよくにのやしろ)が建立されました。
霊廟建築とは権力者を祀るための建造物で、本殿のほかに舞殿・新宝殿・護摩堂・鐘櫓・太鼓櫓等などが建ち並んでいたといいます。
しかし、慶長20年(1615年)に豊臣家が滅亡すると、徳川家康によって神社は廃絶、破壊され、江戸時代を通して再興は許されませんでした。
ようやく再興されたのは明治時代。新社殿は方広寺大仏殿跡地に建立されたため、現在の太閤坦にあるのは、拝殿・手水舎・供養塔(秀吉の孫・国松と秀吉の愛妾・松の丸殿)だけです。
豊臣秀吉(とよとみ ひでよし)[1536~1598]
出典:小学館デジタル大辞泉より抄録
安土桃山時代の武将。織田信長に仕え、信長の死後、明智光秀・柴田勝家を討ち、ついで四国・九州・関東・奥州を平定して天下を統一。この間、天正13年(1585)関白、翌年太政大臣となり、豊臣を賜姓。また、検地・刀狩りなどを行い、兵農分離を促進した。のち、明国征服を志して朝鮮に出兵したが、戦局半ばで病没。茶の湯などの活動も盛んで桃山文化を開花させた。豊太閤。
・豊国廟の歩み
- 慶長3年(1598年)豊臣秀吉は伏見城で死去。遺体は火葬せずに城内に安置されました。
- 慶長4年(1599年)豊国廟の創建。
遺言により東山の阿弥陀ヶ峰山頂に埋葬され、その麓の太閤坦に廟所が建立されました。境内域30万坪を誇る壮麗かつ壮大な廟所は「豊国社」と命名され、毎年4月と8月に行われた豊国祭には朝廷より勅使が遣わされ、諸大名の参拝や寄進が相次いだといいます。 - 慶長20年(1615年)に豊臣家が滅亡すると徳川家康の意向により神号は剥奪、神社も廃絶・破却されました。秀吉の遺体は山頂にのこされ霊屋は修理禁止とされ、江戸時代を通して再興が認められることはありませんでした。
- 明治元年(1868年)明治天皇が「秀吉は天下統一を果たしたが、幕府を作らず天皇を尊重した人物」であると再評価し豊国神社を再興。
- 明治31年(1898年)豊国廟の再建。
豊太閤三百年祭にあわせ阿弥陀ヶ峰山頂の荒廃していた陵墓に新しく石造五輪塔を建立。この工事の際、土中から素焼きの壷に入った秀吉の遺骸とおぼしきものが発見され、丁重に再埋葬されたといいます。
豊臣秀吉のホンモノのお墓です。
【2】豊国廟 見どころ
見どころは、石段と陵墓(石造五輪塔)と清水寺!
なぜ清水寺!? 実は秀吉のお墓を左手に進むと、清水寺全体を俯瞰して見ることが出来るんです。ちなみに、ここから清水寺へは行けません。
登拝の所要時間は、往復約30分~45分です。
・489段の石段
授与所で登拝料100円を支払います。閉まっている場合は、石段手前の「志納金箱」に入れましょう。
正面石段(489段)は、大きく前半と後半に分かれます。踊り場が少ない石段なので、かなりキツイです。特に後半は踊り場なしの171段。がんばりましょう!
- 前半(麓から山の中腹にある門まで)318段
- 後半(中腹の門から頂上まで)171段
・陵墓(石造五輪塔)
豊臣秀吉のお墓は、高さ約10mの五輪塔です。
明治8年(1875年)に豊国神社が再興されたことから豊国廟の整備も行われ、明治31年豊太閤三百年祭にあたり石造五輪塔が建てられました。設計は、建築家・建築史家の伊東忠太。
工事の際、土中から直径1m程の素焼きの壷の中からミイラ化した秀吉の遺骸とおぼしきものが発見された。西向き(御所の方角)に手足を組んで座っている状態であったという。遺骸については運び出す段階で、工事関係者の不手際によって損傷させてしまい、風化が進んでいた為、ボロボロと崩れてしまった。その後、崩れた遺骸を拾い集め、絹に包んで桐箱に入れ直し、丁重に再埋葬された。この工事以前に盗掘被害に遭っていたと推測され遺骸以外の副葬品については発掘はされていない。
出典:Wikipediaより抄録
・清水寺
お墓の左手を進むと木々の間から、清水寺を望むことが出来ます。
舞台も良く見えます。気持ちいい~!
クリアしたら達成感いっぱいの豊国廟登拝ですが、かなり急な石段なので、雨の日や暗い日は避けた方がよさそうです‥
【3】登拝御朱印
豊国廟の拝殿の手前にある授与所で、登拝御朱印を拝受することが出来ます。
ピンクの桜模様が可愛い、桜の季節限定御朱印を拝受。
【4】豊国廟 アクセス
豊国廟は、京都国立博物館・智積院がある東山七条の交差点から見える「豊国廟参道」の石標を目印に東へ進んだ突き当り。
豊国神社から豊国廟ふもとの鳥居までは徒歩約15分。参道沿いには新日吉神宮(いまひえじんぐう)や京都女子大学のキャンパスがあります。
・最寄駅から
- バス停「東山七条」から、豊国廟ふもとの鳥居まで徒歩約8分。
- 京阪本線「七条駅」から、豊国廟ふもとの鳥居まで徒歩約21分。
[地図]
A地点:豊国廟 鳥居
B地点:市バス「東山七条」
C地点:京阪本線「七条駅」
・京都駅から
- 市バス 京都駅前バスターミナルのりば案内
[D1のりば] 洛バス100 「東山七条」まで約11分。
[D2のりば] 市バス206、208 「東山七条」まで約11分。 - TAXI 所要時間 約9分
総距離 約2.8km タクシー料金検索
※料金・所要時間は実際とは異なる可能性があります。
・祇園四条から
- 京阪本線
淀屋橋行きに乗車「七条駅」まで約3分。
※特急も停車します。 - 市バス
[四条京阪前 Aのりば] 市バス207「東山七条」まで約13分。
いきなり500段の石段往復したもんだから、翌日筋肉痛で大変でした^^
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※この記事の史実に関する記載は、豊国神社パンフレット・豊国廟登拝チケット、駒札、Wikipedia等を参考に作成しました。
豊国廟
所在地 京都市東山区今熊野北日吉町
参拝時間 7:30~17:00
登拝料 100円
豊国神社 紹介サイト
TEL.075-561-3802(豊国神社)