光明院(こうみょういん)は、東福寺の塔頭寺院。波心庭(はしんてい)という素晴らしい枯山水のお庭があります。
知る人ぞ知る穴場ですが、サツキや紅葉の季節はもとより、青もみじも美しいお庭です。東福寺と一緒に訪れてみてはいかがでしょうか?
静かなひと時を味わいたい方、美しい日本庭園を楽しみたい方、枯山水に興味のある方にお勧めします!
お庭のみどころ、拝観方法、おすすめアクセス順路をご紹介します。
【1】光明院とは?
光明院は東福寺の六波羅門の南に位置し、戦場の護神として信仰された摩利支尊天(まりしそんてん)が祀られています。
「波心庭」は昭和の作庭家として名高い重森三玲氏が作庭した枯山水庭園です。
・東福寺の塔頭寺院
東福寺 第70世住持・金山明昶(きんざんめいしょう)が、1391年(明徳2年)に創建したと伝わります。
明治元年(1868年)の神仏分離令の後に起きた廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)の被害に遭い、一時期廃れますが明治44年(1911年)に再興されました。
そのため、建物や日本庭園は基本的に明治後期から昭和にかけてのものになります。
塔頭(たっちゅう)とは
禅宗寺院。弟子が亡くなった祖師や門徒高僧の徳を慕い、大寺・名刹に寄り添って建てた塔(多くは祖師や高僧の墓塔)や庵などの小院です。東福寺には現在25の塔頭寺院があります。
摩利支天(まりしてん)
仏教の守護神である天部の一柱で、陽炎(かげろう)を神格化したものです。陽炎は実体が無いので、捕らえられて傷つけられることも無く害されることも無い。
そんなところから我が国では戦場の護神として、戦国武将の間にこの摩利支天信仰が広がったようです。
・昭和の名園「波心庭」
ひっそり佇む寺院の奥に、昭和の名作庭家・重森三玲(しげもりみれい)が、昭和14年(1939年)に東福寺の方丈庭園と同時進行で手掛けたモダンな枯山水庭園が広がっています。
波心庭は「光明院」という名前から着想を得て設計されました。中央の仏様に見立てた三つの石(三尊石)から放射状に放たれる光の先に、75個の石がランダムに据えられています。
一見ランダムに見える石ですが、本堂・書院・茶室のいずれの方角からも美しく見える絶妙な配置になっています。
そして、白い砂は海、苔の州浜に散らばる白い石は波しぶき。ダイナミックに刈り込んだ背後のサツキやツツジは、雲を表現しているそうです。
借景の木々に囲まれた空間に広がる曲線と、厳つい岩々のコントラストが印象的な清々しい枯山水庭園です。
東福寺のように混むことはなさそうです。ゆっくり広々とした空間の庭園を独り占めできるかも。知る人ぞ知る枯山水庭園です。
【2】拝観の際の注意点
- 拝観料は志納(300円くらい)
事前に小銭を用意されることお勧めします。入口にスタッフはおられませんので、お札の場合お釣りはもらえません。 - 礼儀をわきまえて参拝
「横になったり、庭に降りたり等しないで、真面目に参拝してください。」との注意書きがあります!気持ちの良い空間なので、横になりたくなる気持ちはちょっとわかりますが、ダメダメ、気持ちを引き締めましょう。 - 御朱印はありません
訪問時は、たまたま玄関にお寺の方がおられました。念のため確認したところ、写真撮影OKです。
【3】光明院へのアクセス
京阪本線の「鳥羽街道駅」が最寄り駅。ここから徒歩約7分。ちょっと上り坂です。東福寺の六波羅門からは徒歩約2分です。
・東福寺から
東福寺も参拝するなら、「鳥羽街道駅」→「光明院」→「東福寺」→「東福寺駅」という経路がおすすめです。東福寺を六波羅門→三門という正式な順路で参拝出来ます。
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重森三玲の方丈庭園の紹介や、東福寺六波羅門への写真つきルートを掲載。
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・京都駅から
JR奈良線で「東福寺駅」まで一駅。快速も止まります。約2~3分
※下車後、徒歩 約15分(東福寺 六波羅門の南です)
※JR奈良線「東福寺駅」はエレベーター有り。
・三条京阪・祇園四条・伏見稲荷から
京阪本線 淀屋橋行き乗車「鳥羽街道駅」下車 徒歩 約7分
京阪本線 淀屋橋行き乗車「東福寺駅」下車 徒歩 約15分
※京阪本線「東福寺駅」「鳥羽街道駅」は、普通、準急が停車。特急は止まりません。
※京阪本線「鳥羽街道駅」はエレベーター無しです。大阪方面のホームへは階段移動です。
とても素敵な枯山水のお庭でした。日本庭園にはまりそうです^^
光明院
所在地 東山区本町15丁目809
TEL.075-561-7317
光明院 公式サイト