松ヶ崎大黒天 [妙円寺] | 大黒天は縁起の良い「甲子の日」の祭神。

松ヶ崎大黒天 山門

松ヶ崎大黒天(だいこくてん)は、日蓮宗のお寺「妙円寺」の通称です。

開運招福の福神・大黒天がお祀りされています。妙円寺の大黒天は伝教大師・最澄が彫られたという事でも有名で、日本最古の七福神巡り「都七福神」第一番霊場でもあります。

大黒天は、物事のはじまりの日として縁起の良い「甲子の日」の御祭神。開運招福祈願はもちろん、子年の初詣や子年生まれにちなんで参拝される方も多いと思います。

大黒天と使徒ネズミの関係、妙円寺と大黒天の歴史、見どころアクセス方法などをご紹介します。

基本情報

松ヶ崎大黒天(正式名称:松崎山 妙円寺)
所在地 京都市左京区松ヶ崎東町31番地
TEL.075-781-5067
拝観時間 9:00~17:00
※御朱印は16:00まで
松ヶ崎大黒天(妙円寺)公式サイト

【1】大黒天とネズミの関係

古代中国では、ネズミは神獣
古代中国では、家ネズミが火事や地震が起こる前に集まって安全な場所に移動することから、災害を予知する能力があると考えられ、神獣として信仰されていたそうです。出典:七福神

・大黒天=大国主神(神仏習合)

日本の神話「古事記」には、大国主神(おおくにぬしのかみ)が危機的状況の時に、ネズミに助けられたというエピソードがあります。

中国から大黒天の祭祀と共に神獣としてのネズミの信仰が伝わると、古事記の伝説と共に大国主神の「大国」がダイコクとも読めることから、大黒天(大黒様)と混同され習合していきました。

日本の大黒天信仰は、平安時代、比叡山延暦寺の台所の守護神として伝教大師・最澄が三面大黒天(大黒天・毘沙門天・弁才天が合体した像)を祀ったのが始まりといわれます。

その後、全国に信仰が広まり、室町時代には日蓮宗においても盛んに信仰され、やがて大黒天は食物・財福を司る神として七福神の一柱となったのです。米俵に乗り福袋と打出の小槌を持った微笑の長者の姿でおなじみですね^^

・「甲子」は大黒天の祭日

甲子(きのえね・こうし・かっし)とは、十干 (じっかん) と十二支(じゅうにし)を組み合わせた60を周期とする数詞の第1番目です。

60日に1回巡ってくる「甲子の日」は、物事のはじまりとなる「縁起の良い日」として重んじられ、さまざまな行事が行なわれてきました。

特に「子」=「ネズミ」とされることから大黒天が甲子の祭神となり、甲子の日には「甲子大祭」が開催されています。

甲子大黒(きのえね だいこく)
甲子の日に大黒天をまつること。大黒天は、俗説によれば大国主命とされ、その危難をネズミが救ったという古事記の説話から、甲子の「子」がネズミとされるので甲子の祭神を大黒天とするといわれる。

出典: 精選版 日本国語大辞典
ミィコ

古代中国では家ネズミは神獣だったんですね。名前の読み方や、エピソードなどが、混同され習合していったという説明は妙に納得できます^^

【2】妙円寺(松ヶ崎大黒天)とは?

妙円寺(松ヶ崎大黒天)は日蓮宗のお寺で、京都の「都七福神」第一番霊場。「松ヶ崎の大黒さん」と呼ばれ親しまれています。

古来、京都の表鬼門(子丑の方角)に位置することから、方除け福運を授ける神として信仰されてきました。

さらに昭和44年の堂宇焼失の際、大黒天は無事だったことから「火中出現 火伏守護(ひぶせしゅご)の大黒さま 」としても崇拝されています。

・松ヶ崎と日蓮宗

  1. 鎌倉時代末、永仁2年(1294年)に日蓮宗宗祖・日蓮の弟子、日像(にちぞう)が上洛。京都に法華宗(ほっけしゅう、日蓮宗)がもたらされました。
  2. 徳治元年(1306年)松ヶ崎の天台宗 歓喜寺の住職 実眼が、京の街で聞いた日像の説法に心服し日蓮宗に改宗。
  3. 徳治2年(1307年)松ヶ崎に日像上人を招いて講話してもらった所、全村民も感服し日蓮宗に改宗。「松ヶ崎法華」と言われました。
  4. 元和2年(1616年)本涌寺(現在の涌泉寺)内に、本覚院日英上人の隠居所として妙円寺が建立されました。

五山の送り火「妙法」

毎年8月16日の盂蘭盆会の行事「五山の送り火」では、背後の松ヶ崎山に「妙」と「法」が点火されます。

徳治2年(1307年)松ケ崎全村民が日蓮宗に改宗した時に、松ヶ崎西山に「妙」の字を日像上人(日蓮聖人の法孫)が自ら杖をもって描かれ、東山の「法」の字は後に下鴨 大明寺(現在は廃寺)の日良上人が描かれたと伝わります。

送り火「妙法」は、松ヶ崎の信仰の火であるとともに日蓮宗伝道の火でもあるのです。

さらに、全村民が日蓮宗に改宗した時に、歓喜寺住職が歓喜のあまり「南無妙法蓮華経」と唱えながら踊りだすと村人も参加して大盛り上がりしたのが「松ヶ崎の題目踊り」で、日本最古の盆踊り言われています。
※現在も毎年8月15・16日の両日に隣の涌泉寺にて行われます。

松ヶ崎 妙法の山
▲五山の送り火が点火される松ヶ崎の山

・伝教大師作の大黒天像

本尊の大黒天像は、勇猛庵主日量の遺仏で、伝教大師・最澄 [767-822年] の一刀三礼の作と伝わります。そして日蓮聖人 [1222-1282年] が比叡山で修業中の甲子年月日に開眼、 妙円寺開山・日英上人の宿願で鎮座されました。

※一刀三礼(いっとうさんらい):神仏をうやまい、慎み深い態度で仏像などを彫ること。

・都七福神

七福神巡りは室町時代に京都で発祥し、次第に各地へ広まりました。お正月に七福神巡りをすると、福がもたらされるといわれています。

松ヶ崎大黒天 表参道入口
▲松ヶ崎大黒天 表参道の都七福神の旗

都七福神(みやこしちふくじん)

「ゑびす神」商売繁盛/京都ゑびす神社
「大黒天」開運招福/松ヶ崎大黒天(妙円寺)
「毘沙門天」七福即生/東寺
「弁財天」福徳自在/六波羅蜜寺
「福禄寿神」延寿福楽/赤山禅院
「寿老神」不老長寿/革堂(行願寺)
「布袋尊」諸縁吉祥/萬福寺

松ヶ崎大黒天から一番近いのは、福禄寿神の赤山禅院。
都七福神巡りは、京都の北と南を縦断する感じです。1月はバスツアーもあるので、効率的に巡るには利用してみるのもいいかもしれません。

ミィコ

十二支の最初の年である子年に、ネズミがお仕えする大黒様に祈願すると招福できそうな予感。その勢いで都七福神を巡るとさらに招福できるかも!

【3】見どころ

大黒堂と、なで大黒様が大きな存在感を放っています。

・大黒堂

御本尊の大黒天がお祀りされています。

60日に一度の「甲子大祭」では、9:00~17:00まで諸願成就のご祈祷、甲子祭の前夜7時にご開帳が行われ、加持祈祷が厳修されます。

大黒堂の前にある「なで大黒」は、大黒像を撫でてから、体の悪いところを撫でて祈願するとご利益があるそうです。

松ヶ崎大黒天 本堂
▲大黒堂
なで大黒
▲なで大黒

・本堂

本堂は近代的な建物。階段横に宗祖、日蓮上人像がたたずんでいます。大黒堂は対照的にひっそりしていました。

妙円寺 本堂
▲妙円寺本堂と日蓮上人像

・紅葉の名所

境内は大きな銀杏の木があり、赤い紅葉とのコントラストが美しいです。

紅葉の時期は大混雑の寺社も多いですが、妙円寺は静かに紅葉を愛でられる知る人ぞ知るおすすめスポットです。

松ヶ崎大黒天の紅葉
▲大黒堂と紅葉
松ヶ崎大黒天の紅葉
▲境内の紅葉
松ヶ崎大黒天の紅葉
▲境内の紅葉
松ヶ崎大黒天の紅葉
▲境内の紅葉
松ヶ崎大黒天の紅葉
▲境内の紅葉
松ヶ崎大黒天の紅葉
ミィコ

紅葉が非常に美しく、隠れた名所に決定!

【4】授与品と御朱印

大黒天ゆかりの授与品がいろいろありました。

・可愛いおみくじ

大黒様の可愛いおみくじは張り子で、おみくじとセットで透明の袋に入れられています。

大黒天の可愛いおみくじ

・絵馬

大黒様の使徒ネズミのイラストの絵馬もありました。

松ヶ崎大黒天の絵馬

・御朱印

定番、大黒天の御朱印です。
限定御朱印の情報は、ホームページでチェック

松ヶ崎大黒天の御朱印
ミィコ

大黒天の張り子人形が可愛いです。甲子大祭のご幣など、他にも色々な授与品があります。

【5】松ヶ崎大黒天アクセス

[最寄り駅]
・地下鉄「松ヶ崎駅」1番出口から 徒歩約20分
・叡山電鉄「修学院駅」から 徒歩約15分

※参拝者専用駐車場あり

・京都駅から

[地下鉄烏丸線] ※所要時間:松ヶ崎大黒天まで約40分。
国際会館行乗車「松ヶ崎駅」まで約17分→下車 徒歩約20分。

・京阪三条から

[京阪電車+叡山電車] ※所要時間:松ヶ崎大黒天まで約32~37分。
京阪本線 出町柳行乗車「出町柳駅」まで約4~5分→ [出町柳駅で乗換] → 叡山電車乗車「修学院駅」まで約7分→ 下車 徒歩約15分。

[道順写真]
松ヶ崎大黒天(妙円寺)に鳥居があるのは、神仏習合の歴史の名残りだそうです。

松ヶ崎大黒天 一の鳥居
▲松ヶ崎大黒天の鳥居
松ヶ崎大黒天 表参道入口
▲正面は白雲稲荷神社の鳥居。手前を左折
松ヶ崎大黒天 表参道
▲参道を進みます
松ヶ崎大黒天 鳥居
▲突き当りの階段を上ります
松ヶ崎大黒天 山門
▲松ヶ崎大黒天(妙円寺)に到着
ミィコ

大黒天を日本で始めて祀ったのが伝教大師で、その大師が彫られた大黒天像と知ると、ますます霊験あらたかな感じがします。ちなみに「子」にゆかりがあるといっても、ネズミの像はありません^^

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※この記事の史実に関する記載は、松ヶ崎大黒天公式サイト・ 松ヶ崎自治連合会サイト、駒札、Wikipedia、コトバンク等を参考に作成しました。