貴船神社 | 心願成就 パワースポット。縁結びの御利益にも注目!

貴船神社

貴船神社(きふねじんじゃ)は、古来霊験あらたかな御利益で知られるパワースポットです。

京都の奥座敷と呼ばれる、貴船山と鞍馬山に挟まれた鴨川の水源のひとつ貴船川沿いの森の中に鎮座し、青もみじ・紅葉・冬景色・雪景色など、四季それぞれの趣も楽しめます。

特に夏は、京都市内より10度近く気温が低い日もあるので避暑地としても人気。5月1日~9月末日までは、貴船川の水面のすぐ上に設置された「川床(かわどこ)」で、京料理を楽しむ事も出来ます。

御利益をMAXにする三社巡拝や、見どころ・御朱印・アクセス方法をご紹介します。

基本情報

貴船神社 [正式名称:貴布禰総本宮 貴船神社]
所在地 京都市左京区鞍馬貴船町180
TEL.075-741-2016

・境内無料
・授与所 9:00~17:00
・拝観時間
 12月1日~4月30日 6:00~18:00(正月3が日、冬・春のライトアップ除く)
 5月1日~11月30日 6:00~20:00(夏・秋のライトアップ期間は延長あり)
貴船神社 公式サイト

【1】貴船神社とは?

貴船神社は、古くより気力が生じる根源となる場所として「氣生根(きふね)」とも表記され崇められてきた、霊験あらたかな由緒のある神社です。

貴船神社の「貴船」は、地域名の貴船「きぶね」とは異なり、清らかな水のように濁らず「きふね」と読みます。

貴船神社 貴船川
▲清らかな貴船川

・ふたつの創建伝説

貴船神社の起源について明記された資料は残っていませんが、社伝には二つの伝説が残されています。

  • 伝説 1:「国家安穏 万民守護のため 太古 丑の年の丑の月の丑の日に、天上より貴船山中中腹 鏡岩に天降れり」とあります。
    → 現在、丑の日が縁日とされてます。
  • 伝説 2:反正天皇の御代(406~410年)に、初代 神武天皇の母・玉依姫命(タマヨリヒメノミコト)が「吾は皇母玉依姫なり。恒に雨風を司り以て國を潤し土を養う。また黎民(れいみん)の諸願には福運を蒙(こうむ)らしむ。よって吾が船の止まる処に祠を造るべし」と宣り給い、現在の大阪湾から黄色い船に乗り、淀川、鴨川、貴船川を遡り、水源の地として現在の奥宮に至りました。そして、清水の湧き出る霊境吹井(れいきょうふきい)を見つけて祠を建てたのが、貴船神社の起源と伝えられています。
    → 貴船神社の「貴船」の由来は、玉依姫命が乗ってこられた黄色い船(黄船) からきていると考えられています。
【貴船神社の歴史】
  1. 創建は反正天皇の御代(406~410年)
  2. 白鳳6年(666年)最も古い社殿造替えの記録あり。
  3. 平安時代、賀茂社 [上賀茂神社] の第二摂社となります。
    延暦15年(796年)藤原伊勢人が貴船明神のお告げにより鞍馬寺を創建。
    天喜3年(1055年)現在地に本宮を創建、元の地は奥宮として奉斎。
    保延6年(1140年)正一位の神階を授かる。
  4. 鎌倉~江戸時代
    弘安9年(1286年)亀山上皇行幸。国事多難克服を祈願。
    寛永8年(1631年)~元治元年(1864年)賀茂社の式年遷宮復活と共に式年遷宮が行われる。
  5. 明治4年(1871年)賀茂社 [上賀茂神社] から独立。

・絵馬発祥の社

貴船神社は「絵馬」発祥の社とされています。

歴代天皇の信仰も篤く、日照りが続く時には黒馬を、長雨の時には白馬または赤馬を献じて雨乞い・雨止みを祈願され、天下に大事があるときにも勅使を遣わして祈念されていました。

そして、時には本物の馬に換えて『板立馬』を奉納したと、平安時代の文献『類聚符宣抄』が伝えています。その「板立馬」こそ今日の絵馬の原形と言われています。

・貴船明神と鞍馬寺の関係

貴船神社の隣の鞍馬山には、山道のハイキング・コースで繋がっている事でも知られる鞍馬寺があります。実は、単なるお隣さんではなくて、貴船神社と深い縁があったのです。

「鞍馬蓋寺縁起」「今昔物語集」などによると、藤原南家の出身で造東寺長官を務めた貴族・藤原伊勢人(ふじわら の いせんど)が、貴布禰ノ明神(貴船明神)から鞍馬山に伽藍を建てるように神宣を受け取り、鞍馬寺を創建したそうです。

  1. 鞍馬寺開創:奈良時代末期の宝亀元年(770年) 奈良・唐招提寺の鑑真和上の高弟・鑑禎上人は、正月4日寅の夜の夢告と白馬の導きで鞍馬山に登り、毘沙門天を祀る草庵を結びました。
  2. 鞍馬寺創建:平安時代の始まり延暦15年(796年)藤原伊勢人は、観音菩薩を祀る寺を建てたいと考えていました。そして、ある夜に見た霊夢に従い鞍馬山に分け入ると毘沙門天を祀る小堂を発見。「観音菩薩ではなくて毘沙門天ではないか…」とがっかりしていると、その晩の夢に童子が現われ、「観音も毘沙門天も名前が違うだけで、同じものなのだ」と告げました。そして伊勢人は千手観音の像をつくり、毘沙門天とともに安置し、鞍馬寺を創建したといいます。
ミィコ

貴船川のせせらぎや澄んだ空気を五感で受け止めて参拝したら、心機一転、きっと気力が蘇り運気も上がります!!

【2】三社巡拝と御利益

貴船神社の正式な参拝順序は、本宮→ 奥宮→ 結社 の順に参拝する「三社順拝」です。少々歩きますが、しっかり参拝してご利益を拝受しましょう!

本宮と奥宮には水の供給を司る、高龗の神(タカオカミノカミ)、結社には縁結びの神として、磐長姫命(イワナガヒメノミコト)が鎮座されています。

  1. 本宮:所願成就
  2. 奥宮:心願成就
  3. 結社:縁結び

・1・本宮

貴船神社の本宮にお祀りされている高龗の神は降雨・止雨を司る龍神。雲を呼び、雨を降らせ、陽を招き、降った雨を地中に蓄え、適量を湧き出させるという、水を司る神様です。

創建の地は現在の奥宮ですが、天喜3年(1055年)に洪水で流損し、現在地に本宮が移されました。 以来、文久3年(1863年)までに36回余の御造替(ごぞうたい)が行われ、現在の本宮は平成時代に基礎からすべてを一新し建て替えられたものです。

御神水は貴船山の湧き水で、社殿前の石垣からこんこんと流れ出ています。御神水の霊泉に浮かべると文字が浮かぶ「水占みくじ」も有名です。授与所は本宮の境内にあり、さまざまな種類の御守りや御朱印、水占みくじを拝受する事が出来ます。

貴船神社 本宮
▲貴船神社 本宮
貴船神社 御神木
▲御神木の桂
貴船神社 御神水
▲御神水

・2・奥宮

貴船神社創建の地であり、本宮と同じく高龗の神がお祀りされています。一説には闇龗神(くらおかみのかみ)とも呼ばれます。

本殿の真下には「龍穴(りゅうけつ)」と言われる大きな穴が空いており、その上に社が創建されました。残念ながら龍穴は人目を忌むべき神聖なものなので、誰も見ることが許されていません。貴船神社の龍穴は「日本三大龍穴」のひとつとされています。

奥宮は、霊境吹井(龍穴)のある神聖な場所・パワースポットなのです。

本殿下の大きな龍穴
文久年間(1861~1863年)の本殿修理の際、大工が誤ってノミをこの中へ落としたところ、一天にわかにかき曇り、突風が起こり、ノミが空中へと吹き上げられたと言います。

出典:貴船神社 駒札より抄録

また、御鎮座伝説に伝わる玉依姫命が乗った黄船は、石で包み囲んだ形で奥宮本殿の左側に祀られています。そのためか、奥宮は航海の安全を守る船玉神(ふなだまのかみ)としての信仰も篤いそうです。

貴船神社 奥宮参道
▲奥宮への参道
貴船神社 奥宮 門
▲奥宮の神門
貴船神社 奥宮
▲奥宮の拝殿と本殿
貴船神社 奥宮 御船形石
▲船形石

・3・結社

貴船神社の結社(ゆいのやしろ)は「恋の宮」とも称される、縁結びで有名な社です。

御祭神は磐長姫命(イワナガヒメノミコト)。この地に鎮座された由来は、ちょっと切ない物語。

天照大神の孫にあたる瓊々杵命(ニニギノミコト)が、磐長姫命の美しい妹・木花開耶姫命(コノヤサクハナヒメノミコト)に一目ぼれして求婚。父の大山津見神は喜んで、姉の磐長姫と共に二人を差し出しましたが、瓊々杵命は木花開耶姫とだけ結婚し、醜い磐長姫を送り返したのです。そのことを恥じた磐長姫は「吾ここに留まりて人々の良縁を授けよう」と御鎮座されたと伝わります。

境内には、縁結び祈願で夫と復縁できた平安時代の女流歌人・和泉式部の歌碑もあります。

貴船神社 結社
▲結社の石碑
貴船神社 結社
▲結社
貴船神社 結社 おみくじ
▲縁結び祈願のおみくじがいっぱい。
ミィコ

結社は本宮から奥宮へ向かう途中にありますが、奥社の帰り、最後にお参りしましょう。

【3】有名な縁結び・縁切り伝説

貴船神社にまつわる伝説のもとになったと思われるエピソードが、平家物語などの文献などに残されています。その中でも特に有名なエピソードをご紹介。
心願成就はもとより、せっかく生じた気力をダークサイドで使った場合もあったみたいで‥

・和泉式部の復縁伝説

縁結びの御利益としては、平安時代の女流歌人・和泉式部の話が有名です。和泉式部が夫の心変わりに思い悩んだ際に参拝し祈ったところ、その願いが見事に叶い復縁できたというものです。結社境内に歌碑があります。

和泉式部は夫との仲が上手くいかなくなって当社にお参りし、心情を歌に託して祈願しました。すると、社殿の中から慰めの返歌が聞こえてきて、ほどなく願いがかなえられ円満になったという事です。

ものおもえば沢の蛍もわが身より あくがれいづる魂かとぞみる

(あれこれと悩んでここまで来ますと、蛍が貴船川一面に飛んでいます。そのはかない光は、まるで自分の魂が体からぬけ出て飛んでいるようでございます。)

おく山にたぎりて落つる滝の瀬の 玉ちるばかりものな思ひそ

(しぶきをあげて飛び散る奥山の滝の水玉のように(魂が抜け出て飛び散り消えていく=死ぬかと思うほど)そんなに深く考えなさるなよ。

出典:貴船神社駒札より抄録

・丑の刻参り

丑の刻参りと聞くと、丑の刻(午前1時~午前3時頃)に神社の御神木に憎む相手に見立てた藁人形を釘を打ち込み呪いをかけるという、怖いイメージがありませんか?

本来は、「丑の年の丑の月の丑の日の丑の刻」に貴船明神が貴船山に降臨したとの伝説から、丑の刻に参拝して願いを掛ける心願成就の方法でした。平安時代には、夜に貴船神社に参拝することも行われていたそうです。

しかし、時代の変遷と共に本来の意味が変質し、縁切りの神・呪咀神としても信仰されるようになりました。鎌倉時代後期に書かれた『平家物語』剣之巻の「宇治の橋姫伝説」が原形の一つと言われています。

ちなみに、丑の刻参りでイメージされる、白衣を着て灯したロウソクを立てた鉄輪を頭にかぶった女性が、藁人形に釘を打ち込むというスタイルは江戸時代に完成したものだそうです。

宇治の橋姫
嵯峨天皇の御世(809~825年)、とある公卿の娘が深い妬みにとらわれ、貴船神社に7日間籠って「貴船大明神よ、私を生きながら鬼神に変えて下さい。妬ましい女を取り殺したいのです」と祈った。明神は哀れに思い「本当に鬼になりたければ、姿を変えて宇治川に21日間浸れ」と告げた。

女は都に帰ると、髪を5つに分け5本の角にし、顔には朱をさし体には丹を塗って全身を赤くし、頭に載せた鉄輪に3本の松明を燃やし、さらに両端を燃やした松明を口にくわえた。そして宇治川に21日間浸ると、貴船大明神の言ったとおり生きながら鬼になった。

鬼になった女は、妬んでいた女、その縁者、相手の男の親類、しまいには誰彼構わず、次々と殺した。‥ 以下省略

出典:Wikipediaより抄録

丑の刻参り(うしのこくまいり)
丑の刻(午前1時~午前3時頃)に神社の御神木に憎い相手に見立てた藁人形を釘で打ち込むという、日本に古来伝わる呪いの一種。典型では、嫉妬心にさいなむ女性が、白衣に扮し、灯したロウソクを突き立てた鉄輪を頭にかぶった姿で行うものである。連夜この詣でをおこない、七日目で満願となって呪う相手が死ぬが、行為を他人に見られると効力が失せると信じられた。ゆかりの場所としては京都市の貴船神社が有名。

出典:Wikipediaから抄録
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▲丑時参 鳥山石燕『今昔画図続百鬼』,パブリックドメイン,リンク
ミィコ

丑の刻参りのダークサイド・バージョンは相手を殺すのが目的だから、究極の縁切りですね‥

【4】御朱印

本宮前の社務所で授与していただけます。奥宮の御朱印は書置きのみになります。

貴船神社 御朱印
▲貴船神社の御朱印
貴船神社 社務所
▲本宮前の社務所
貴船神社 奥宮
▲奥宮のPOP
ミィコ

ひっそりと厳かに佇む奥宮にPOPはちょっと浮いていました^^

【5】貴船神社 アクセス

お薦めの交通手段は、叡山電車で「貴船口駅」まで行き、京都バスに乗り換えて「貴船」から行く方法。旅情あふれるレトロな雰囲気の電車が魅力的です^^

最寄り駅

  • 京都バス「貴船」
    ・貴船神社まで徒歩約6分。
  • 叡山電車「貴船口駅」
    ・京都バス33番に乗換え(乗車4分)「貴船」下車。貴船神社まで約10分。
    ・徒歩の場合、貴船神社まで約35分。

貴船口駅からの道は貴船川沿い。徒歩も気持ちいいけれど、上り坂30分以上はちょっとキツイかも。

・叡山電車 出町柳駅から

※貴船までの合計所要時間 約37分~50分
(1) 叡山電車 鞍馬行「貴船口駅」まで約28分。
→ [貴船口駅 京都バスに乗り換え]→
(2) 京都バス 33番に乗車「貴船」まで約4分。
京都バス時刻表

・京阪電車 三条京阪から

※貴船までの合計所要時間 約45分~60分

(1) 京阪本線 特急 出町柳行「出町柳駅」まで約5分。
→ [出町柳駅 叡山電車に乗り換え]→
(2) 叡山電車 鞍馬行「貴船口駅」まで約28分。
→ [貴船口駅 京都バスに乗り換え]→
(3) 京都バス 33番に乗車「貴船」まで約4分。

・京都駅から

代表的でシンプルなコースをご紹介します。
公共交通機関利用の場合は、乗換え必須で1時間はかかります。市内道路の混雑状況によっては、もっとかかる可能性があります。

タクシーなら通常、貴船神社まで40分程度で行けますが、神社周辺の道は狭いので混雑する時期は渋滞でイライラするかも。

  • TAXI
    ※貴船神社までの所要時間 約40分
    ・総距離 約18km タクシー料金検索
    ※料金・所要時間は実際とは異なる可能性があります。
  • 地下鉄→ 京都バス
    ※貴船までの合計所要時間 約50分~1時間20分。
    京都バスの時間に合わせるのがポイント。1時間に2本程度。
    京都バス時刻表

    (1) 地下鉄 国際会館行「国際会館駅」まで約20分
    → [国際会館駅 3番出口/京都バスに乗り換え]→
    (2) 京都バス 52番 鞍馬、鞍馬温泉行「貴船」まで約24分。
    国際会館バス停地図
  • 市バス→ 叡山電車→ 京都バス
    ※貴船までの合計所要時間 約1時間15分~1時間25分。
    ★京都駅前バスターミナルのりば案内

    (1) [A2のりば] 市バス4、17「出町柳」まで約28分。
    → [出町柳駅 叡山電車に乗り換え]→
    (2) 叡山電車 鞍馬行「貴船口駅」まで約28分。
    → [貴船口駅 京都バスに乗り換え]→
    (3) 京都バス 33番に乗車「貴船」まで約4分。
  • JR奈良線→ 京阪電車→ 叡山電車 京都バス
    ※貴船までの合計所要時間 約1時間10分~1時間24分。

    (1) JR奈良線 宇治・奈良方面行「東福寺駅」まで約3分。
    → [東福寺駅 京阪本線に乗り換え]→
    (2) 京阪本線 出町柳行「出町柳駅」まで約17分。
    → [出町柳駅 叡山電車に乗り換え]→
    (3) 叡山電車 鞍馬行「貴船口駅」まで約28分。
    → [貴船口駅 京都バスに乗り換え]→
    (4) 京都バス 33番に乗車「貴船」まで約4分。
  • 京都ステーションループバス→ 京阪電車→ 叡山電車 京都バス
    ※貴船までの合計所要時間:約1時間4分~1時間20分。

    京都駅中央口から東へ徒歩約2分に位置するホテル「ザ・サウザンド キョウト」前から乗車、京阪七条で京阪電車に乗り継ぎ。
    京阪電車ご利用の方は、片道100円で利用できます。事前に乗継割引券を忘れずにもらいましょう。※ステーションループバス詳細:京阪電車公式サイト

    (1) 京阪七条-京都ステーションループバス 京阪七条まで約5分
    → [京阪七条駅 京阪本線に乗り換え]→
    (2) 京阪本線 出町柳行「出町柳駅」まで約9分。
    → [出町柳駅 叡山電車に乗り換え]→
    (3) 叡山電車 鞍馬行「貴船口駅」まで約28分。
    → [貴船口駅 京都バスに乗り換え]→
    (4) 京都バス 33番に乗車「貴船」まで約4分。

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ミィコ

体力に自信のある方は、鞍馬寺から参道をハイキングして貴船神社に参拝するのもおすすめです。

※この記事の史実に関する記載は、貴船神社公式サイト、駒札、書籍「京都の寺社505を歩く」、Wikipedia、コトバンク等を参考に作成しました。